山を走る際、クマに遭遇するリスクはつきものですが、多くの人間が山に入るレース中にランナーが襲われたという話はあまり聞きません。しかし、誰もが危惧していた事故が海の向こうで起きてしまいました。
Alaska Newsの報道によると、米国アラスカ州で開催されたトレイルランニング大会「Robert Spurr Memorial Hill Climb (Bird Ridge)」で、ジュニア部門に出場した16歳の男子選手がクマに襲われ死亡したとのこと。
このレースは29年目の歴史ある大会で、レースディレクターのBrad Precosky氏は「これは起こりうる最悪のことだ」と嘆いています。 日本でもトレラン大会花盛りですが、他人事ではありません。
距離の長いレースではロードでもトレイルでも、いわゆる“一人旅”になる局面が訪れます。 鬱蒼とした山の中で、前にも後ろにも誰もおらず自分ただひとり。「ここでもしクマに遭遇したら」・・・と、言い知れぬ恐怖を感じたことはありませんか?
今回、事件が起こったエリアはけっしてクマが頻繁に出没するわけではなく、クマに遭遇するのはむしろ稀なんだとか。 山間部を走るマラソン大会やトレイルランニング大会主催者は、選手はもとより走路員などコース上に待機するスタッフの安全も含めて対策を講じる必要があるでしょう。
最近では熊鈴の効果の賛否もわかれています。あの福岡大ワンゲル部の事件を例に出すまでもなく、複数人だから襲われないという保証もどこにもありません。
■Black bear kills teen runner during trail race near Anchorage(Alaska Dispatch News)