2020年3月から運行を開始した近鉄80000系電車、通称「ひのとり」。華々しくデビューするはずがタイミング悪く新型コロナ禍と重なり、いまなお苦戦中だとか。本日はそんな、コロナ収束後の需要拡大に備えて粛々と運行を続けるひのとりの試乗レポートです。
近鉄名古屋駅と大阪難波駅をむすぶ、いわゆる名阪特急の新型車輌として投入された特急「ひのとり」。
その名のごとく、重厚なメタリックレッドを基調としたシャープかつシンプルなデザインが目を惹きます(大阪難波駅にて)。
エンブレムは火の鳥がモリーフ。
ひのとりのシートは通常席の「レギュラー」と、グリーン席に相当する「プレミアム」の2種類があります。
レギュラーシートとプレミアムシートの差は歴然。本革を使用した電動リクライニングシートのピッチは国内最大級の1,300mm。これはJRのグランクラスや国内線旅客機のファーストクラスと同等のゆとりと豪華さを誇ります。
しかも、JRの割高なグリーン料金と異なり、わずか700円(名古屋−大阪難波)でプレミアムへのアップグレードが可能。ひのとり乗るならプレミアム一択です。
プレミアム車両は1列+2列の3列展開。一人席ならよりいっそうプライベート空間を満喫することができます。
ヘッドレスト、レッグレスト、読書灯、カーテンなども手元のボタンで調整可能。
テーブルも大きめ。遠慮することなく弁当を広げられます(折りたたみタイプなので小さく広げることも可能)。
バックシェル方式を採用しているため、後ろの人を気にすることなく思いっきりシートが倒せます。
ひのとりプレミアム車両には他にも、従来の名阪特急にはない設備を備えています。大型荷物も収納できるコインロッカー。
挽きたてのコーヒーやお菓子が買えるカフェスポット。
そうこうしているうち、あっという間に名古屋到着。乗車時間は2時間ちょっと。この長すぎず短かすぎないひとときこそ、新幹線では味わえない近鉄特急「ひのとり」ならではの魅力です。