「マラソンフェスティバル ナゴヤ・愛知」までいよいよカウントダウン。名古屋ウィメンズマラソンでフルマラソンデビューする方もきっと多いでしょう。そんな初フル組の方々に、「感動をより味わいたいなら、これだけはやめたほうがいい」ことが一つあります。
それは「(イヤフォンをつけて)音楽を聴きながら走ること」。 という私は、ふだん練習で走るときはほぼ100%、iPodで音楽を聴きながら走ります。
リズムに乗りながら走るのはたいへん心地よく、ランニングの楽しみを何倍にも何十倍にも広げてくれます。もはや音楽なしでのランニングは考えられません。
では、そんな私がなぜレースで音楽を聴きながら走るのをやめたほうがいいと断言するのか。その理由はずばり、イヤフォンで耳を塞いでいたら「沿道の声援が聞こえない」からに他なりません。
かつてフルマラソンに初挑戦したとき、「果たして完走できるのだろうか」「自分はどうなってしまうのか」と、高揚感とは裏腹に大きな不安を抱えながらスタートしました。
しかし、その不安は1kmも進まないうちに解消。なぜなら沿道からの声援がすさまじく、とてつもなく大きなチカラとなって勇気を与えてくれたからです。じつは感動のあまり涙をこらえるのを我慢したほど。
普通の人間の心をお持ちの方なら、自分に向かって投げかけられる沿道の声援に対して涙腺がうるまない人はいないと思います。とくに初フルなら、なおさら温かな声援によってもたらされる感動は格別。 小さな子どもたち、おじいちゃんおばあちゃん、ボランティアの方々、沿道のお店の人たち・・・。
みなさん、あなたに向かって「がんばれ!」と声援を送ってくれているのです。その声は確実にあなたの背中を後押ししてくれるはず。
初フルに対する不安や緊張を和らげてくれるもの、そして終盤に必ず襲ってくる脚の痛みを緩和してくれるもの。それは断じて音楽などではなく、あなたに送られる沿道の声です。
レース中、耳をイヤフォンで塞いでいる人をよく見かけますが、そのたびに「この声援から耳をそむけるなんて、じつにもったいない」と悲しくなります。
中には「●●●●番がんばって!」と、ナンバーカードの番号でピンポイントに応援してくれる方も多いことをご存じですか?
イヤフォンで耳をふさぐということは、声援を送っていただいている沿道の方々を完全無視することに他ならず、極めて非礼な行為であることがおわかりいただけたでしょうか。
音楽を聴きながら走ろうと思っていた初フル組のあなた、ぜひ練習だけにとどめておき、本番では沿道の声援を味方につけてください。フィニッシュでの感動が格段に違うと断言します。初フルは一生に一度だけなのですから。