オリンピック女子マラソン日本代表選考会を生観戦しながら走れる“一粒で二度おいしい”「さいたま国際マラソン」。その「一般の部」に参加してきました。
スタートが近づくにつれ、ふつふつと湧き上がる緊張感とプレッシャー。その原因は、このレースの制限が4時間であることにほかなりません。
ここ4〜5年で体重と比例するようにフルマラソンのタイムもじわじわと増加。最近の走力レベルは、全力を出しきってサブ4ギリギリといったところ。実際、直近のフルマラソンのタイムは3:58:44と、まさに尻に火がついた状態。 こうした理由からさいたま国際マラソンへのエントリーは、今の自分にとってやや冒険ではありました。
とはいえ、ペースをきっちり守りさえすればギリギリでもサブ4はいける自信もあったのです。 ただ、さいたま国際マラソンはフィニッシュの制限自体が4時間。つまりそのぶん途中の関門も厳しくなっているわけです。 制限時間に余裕があるレースであれば関門制限を気にする必要はありませんが、さいたま国際では関門(フィニッシュ合わせて7つ)をつねに意識しながら走らなければなりません。
これが想像以上にプレッシャーでした。 当日のレースプランは、まずフィニッシュ予想タイムをネットで3時間55分と予測。これにスタート時のロスタイム3分を加えた3時間58分(グロス)を元にペースを決めました。具体的にはキロ5分35秒に設定。とりあえずこのペースを地道に刻み続ければ、スタートロスを含めても3時間58分台でフィニッシュできる計算です。
しかし、実際は思い通りにはいきません。制限4時間のプレッシャーは、今の自分にとって相当強かったものと思われます。 最初の1kmがいきなり4分15秒(号砲からスタート地点までの2分をのぞく)、自重したつもりの次のラップも5分を切ってしまうなど、無意識に焦りが出てペースが上がってしまいました。
その後も、意識的にスローダウンしたつもりでもキロ5分10〜20秒と、どうしてもオーバーペースになってしまいます。これが時間制限に余裕のあるレースならそのまま「冒険」していたかもしれませんが、4時間制限のさいたま国際マラソンでは、序盤のわずかなオーバーペースがDNFにつながりかねません。
そんななか、無意識に感じる焦りとプレッシャーを忘れされてくれたのが、沿道のボランティアや応援の皆さんです。おかげでいくぶん冷静さを取り戻し、10km地点を55分弱で通過。設定より少し早いですが、まずまず修正できました。
しかしここでペースを狂わせる要因が。それは断続的に現れるアップダウン。いびがわマラソンや奈良マラソンほどエグい坂ではないものの、それは少しずつ確実に両脚からチカラを奪っていきました。 ※<レース篇その2>につづく。