第1回さいたま国際マラソン(兼第31回オリンピック競技大会女子マラソン代表選手選考競技会)を実走取材してきました。東京国際女子マラソン、横浜国際女子マラソンを受け継ぐ大会で、男性も参加可能な一般部門を併催する市民マラソンとして開催されました。
さいたま国際マラソンは「日本代表チャレンジャーの部」と「一般サブフォーの部」および3km、1.5km、親子ファンランの4部門。このうち日本代表チャレンジャーの部は女性のみエントリー可能。ただし、参加資格が3時間30分以内(ハーフ1時間40分)と、比較的やさしい設定になっています。
「サブ3.5で憧れの国際マラソンにエリートとして出られる」ことは、多くの女性シリアスランナーに夢とモチベーションを与えるのではないでしょうか。 一方、同格大会の名古屋ウイメンズマラソンのエリート参加資格は次回から「3時間以内」と厳しい設定に“改悪”。事実上の“一般エリートお断り”となりました。ちなみに女性のサブスリーランナーは全体の0.4%に過ぎません(アールビーズ調べ)。
さて、さいたま国際マラソンはエリートの部に加え、男性も参加可能な「一般の部」を設けたのが最大の特長。参加資格は「4時間以内に完走できる男女」です。ただし日本代表チャレンジャーの部(一般エリートの部)と異なり、陸連登録や記録の提出義務はありません。
つまり19歳以上の男女なら誰でも参加可能。このためサブフォーレベルに達していない選手が数多くエントリーした結果、完走率が64.86%(男性73.57%、女性56.16%)と低調な結果に。 しかし、地元をはじめとする全国のランナーの「五輪選考会を兼ねたさいたま国際を走ってみたい!」「さいたま国際でサブ4に挑戦したい!」という心情も理解できます。 かくいう私もここ1〜2年の走力はサブ4ギリギリレベル。一歩間違えばDNFだったわけで、低調な完走率についてとやかくいえる立場ではありません。
ただ、大量に余った完走タオルとメダルはどうなるのかと心配になりました・・・。 今回のさいたま国際の一般部門についてはランナーの間でもさまざまな意見があります。大きく分けて、「4時間制限のままで(ステイタスの高い大会に)」というものと、「制限を緩和してほしい」というもの。 歩いてもフィニッシュできる長時間制限(7時間)の都市型マラソンは既に掃いて捨てるほど存在していますので、個人的には4時間制限のままで継続したほうが他大会との差別化が図れると考えます。
市民ランナーの最初の大きな目標といえる「サブ4」。4時間制限のおもな大会は現在、大田原マラソン、防府読売マラソンぐらいしか存在しない(かつて北海道マラソンも4時間制限でした)ため、存在価値は高いといえるでしょう。
今回もう一つよかった点は、一般部門の参加定員を5,000人に絞ったこと。さいたまスーパーアリーナが開放されたおかげで“待機場所難民”と化すこともなく、スタート前・フィニッシュ後の時間をゆったりと過ごせました。もちろんトイレ待ちの大行列もほとんどナシ。定員はもう少し増やしても大丈夫かな、という印象を持ちました。
初フルマラソン以来の緊張感に包まれながら走ったレースのもようは明日お届けします。