2015さいたま国際マラソンvol.3<レース後半>篇。

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第1回さいたま国際マラソンを実走取材してきました。本日はvol.3「レース後半」篇をお届けします。 

さいたま国際マラソンはご存知のとおり、オリンピック女子マラソン代表選考会として開催されました。一般の部もまったく同じコース(30分遅れでスタート)。このため、折り返してくるトップ選手を観戦しながら走ることができます。 15km地点過ぎ、対向車線を見るとはるか前方に中継車らしい車両が近づいてきました。

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もちろん走っている最中はレースの状況がわかりませんので、「日本人選手はトップ集団にいるかな?」と思いをめぐらせながら走りました。 やがて中継車が通過し、直後に現れたのはエチオピアのアツェデ・バイサ選手。すでに33km地点で独走のようです(バイサ選手はこのまま1位でフィニッシュ)。

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3番手で現れたのが日本の吉田香織選手(2位)。地元ということもあり、沿道の声援を受けながらストライド走法で飛ぶように走り去っていきました。注目の渋井選手(4位)もなんとか食らいつき、上位を狙える位置につけていました。

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その後、一般参加の女性エリートランナーたちを横目に眺めながらラン。19km地点付近でいったん国道をはずれ、埼玉スタジアム2002方面へ。スタジアム付近で折り返し、ふたたび国道463号に戻りました。

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25km過ぎの大きな折り返しを通過したあたりから太陽が顔をのぞかせ、途端に気温も上昇。スタート時の快適な涼しさとはうってかわり、蒸し暑いコンディションとなってしまいました。同時に脚の疲労も出はじめ、頭上の太陽とは裏腹に暗雲たち込める状況に。 加えて、大きな橋や有料道路への出入口付近など断続的に訪れるアップダウンが両脚から力を奪っていきます。(以降、カメラを構える体力が残されていなかったため写真はありません)

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30kmを過ぎるとラップがキロ6分を超えてしまうことが多くなり、気分転換とクールダウンも兼ねてエイドごとに頭から水をかぶりました。 その後、何度も心が折れそうになりながらもなんとか6分前後をキープ。「DNFは避けたい」その一心で脚を前へと運ぶ動作を続けました。

 

そして最終盤に無慈悲な仕打ちが!フィニッシュのさいたまスーパーアリーナが左手に見えてきたと思ったらそのまま通過。ぐるっと迂回して逆方向から入るというドSな趣向が待ち構えていたのです。※下は公式コース図のフィニッシュ付近。

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そのことは事前にパンフレットで確認済みでしたが、実際に走ってみるとこれがじつにツラい。 そしてついに41km地点に到達。時計を見るとフィニッシュ閉鎖まで残り7分30秒ほど。「いける!」・・・このレースで初めて安堵した瞬間です。 あとは流して走り、ほぼ設定通りのタイムでゴール。そのわずか1分30秒後、フィニッシュゲートが締め切られ、惜しくも完走できなかった選手たちの悲鳴があがりました・・・。

 

今回はまさにサバイバルレースでした。少しでも気を抜けば完走できなかったでしょう。「そうならないように体重減らして練習しろ」といってしまえばそれまでなんですが、「レースは限界まで追い込んでこそ真の楽しさが得られる」ことを改めて実感できたのは収穫でした。 次回出場するときは、もっと余裕をもって走れるよう準備してのぞみたいと思います。ボランティアの皆さま、応援の皆さま、選手の皆さま、おつかれさまでした。