幻となった荒川マラソンの前日、皇居ナイトランを楽しんできました。この日は皇居ランというより、いわゆる“ランステ”施設の視察が目的。本家ランナーズ・ステーションにしようか迷いましたが、営業時間の関係(本家は土曜日は8時まで)からadidas RUNBASEに決めました。
RUNBASEの最寄り駅は地下鉄「永田町」駅。さいわいにもホテルがある池袋から乗り換えなしで行けるようです。さっそくバッグに着替えを詰めて出発! 十数分で永田町到着。駅の4番出口を出てそのまま歩いていくと、すぐにRUNBASEの看板がありました。
官庁街でしかも土曜の夜ということもあるのか、周辺には誰一人歩いていませんでした。RUNBASE自体は少し高台になっている場所にありますので、案内がないと通り過ぎてしまうかもしれません。
外観はadidasパフォーマンスセンターを小さくした感じ。洗練された雰囲気が漂っています。さっそく入ってみました。かなり大規模な施設であると勝手に妄想をふくらませていましたので、第一印象は意外と小さいなという感想。しかし、ロッカー&シャワー施設ですからこんな感じなのでしょう。
フロアにはadidasの最新ウェアやシューズなどが並んでいました。ランナーが交流できるレストスペースのような設備は見あたりませんでした。イベント時には店内の構成を変えるのかもしれません。
カウンターのスタッフに利用したい旨を告げ、料金600円(ランニング共和国民価格)を支払いました。リストバンド付きのキーを受け取り、ロッカールームへ。リストバンドはスーパー銭湯のような庶民的なものではなく、ブラックでまとめられていてオシャレ。
ロッカールームもスリーストライプスが随所にあしらわれており、とてもキレイでした。他の客は一人もいません。後でスタッフに話を聞いたところ、土日の夜はもっともお客さんが少なく、やはり早朝か平日の夕方が多いとのこと。
RUNBASEから皇居外周までは走って2~3分。皇居ナイトラン、「三宅坂」あたりからスタートです。「いっぱい走ってるかな~」とワクワクしながら走り始めるも、誰もいません・・・。寂しい。夜風がぴゅぅーっと身にしみます。
やはり土曜の夜は、みなさん走ってる場合じゃないんでしょうか。それでも走り進んでいくうちにポツポツとランナーを見かけるようになってきました。それにしても皇居外周は街灯があって明るいし、警察官は多いし、信号もなく、ランナーにとってじつに恵まれた環境であることをあらためて実感しました。
しかし、こんな看板が示すとおり、歩行者から苦情が出ている現実も。
皇居ランデビューの折にも触れたんですが、この歩道はランナー専用でもなんでもありません。キロ5分程度のスピードが限界ではないでしょうか。ましてや一般観光客も多いこの道で駅伝大会を開いたりするのは極めて非常識だと思います。
「クラブチームによっては練習場所として皇居外周を使うのを控える傾向にある」という、ある陸上関係者のお話を思い出しました。もちろんゆっくり走るにはこれほどいい環境はありません。
あれこれ考えているうち、いつのまにか三宅坂に戻ってきました。もう1周走りたい気持ちをぐっと我慢してadidas RUNBASEへ帰還。あらかじめ温度調整がしてあるシャワーで汗を流し、ロッカールームのイスでしばしまったり。汗がひくのを待って着替え、ロッカーキーをフロントに返却しました。
つくづく、こんな施設が名古屋にもあればいいなと感じました。ただ、名古屋はクルマ社会ですから、「会社帰りに利用する」人の市場規模がいったいどれくらいなのかが問題です。クルマだったら汗もそれほど気になりませんし。だから、名古屋で“ランステ”施設をつくるとしたら、いいランニングコースが間近に控える郊外のほうが流行るかもしれません。