アクトス6時間リレーマラソン2009inナゴヤドーム。

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昨年に引き続き、「アクトス6時間リレーマラソンinナゴヤドーム」を体験取材してきました。前回(第1回)はリレーゾーンが無法地帯と化すなどやや問題のある運営でしたが、2回目となる今回は果たしてどこまで改善されているのでしょうか。

事前に以下の2つの改善点が発表されていました。1点目は明確に「リレーゾーン(たすきを渡すところ)」と「走行ゾーン」を分けたこと、2点目はチームごとにたすき受け渡し場所を指定したことです。

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しかし・・・いざふたを開けてみると、残念ながらリレーゾーンの無法地帯ぶりはかわらず。大量の待機選手があふれてリレーゾーンをふさぎ、走行ゾーンにまで浸食してくる始末。こうなるとどうしようもありません。なぜならこれは主催者というより、参加者のマナーの問題ですから。

 

ところが・・・30分もたたないうちにリレーゾーンのカオスっぷりが改善し始めました。何があったのかと観察していると、現場のスタッフと場内放送で「リレーゾーンをはみ出さないこと」および「リレーゾーンに入れるのは各チーム1名のみ」であることを懸命に訴えていたのです(前回は放置)。

 

おそらくこの主催者側の“本気”が参加者に伝わったのでしょう。下の写真はスタッフが必死に呼びかけた後のリレーゾーン(スタート30分後)。まだ走行ゾーン(左レーン)の左側からたすきを受け取ろうとするルール違反者も多数いましたが、これでもだいぶ混雑が緩和された状態です。

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実際にはもう一つ改善されている点がありました。それは「補給食」。昨年は6時間ソロの部を設けているにも関わらず「補給食ナシ」というめちゃくちゃな運営でしたが、今回はようかんやレーズンなどが用意されていました。大手企業が主催に名を連ねる大会にしてはまだまだ寂しいですけど、無いよりマシです。

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ところで、「周回コースのリレー競技」特有の問題として、「高速で走る選手とゆっくり走る選手が走路上で何度も交錯する」ことがあげられます。この大会でもその例に漏れず、遅い選手の脇をランシャツ・ランパンに身を固めたバリバリランナーがトップスピードですり抜けていくシーンが何度も見られました。

 

写真(下)は恐怖の下りスロープ。ここをトップスピードの選手達が後ろから前の選手を強引に抜いていきます。まさに一触即発。いつ事故が起きてもおかしくない危険ポイントでした。

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私は記録狙いのチームのジャマにならないよう走路の端を走っていたにも関わらず、トップを争う選手に後ろから何度も接触されました。インから強引に抜こうとするマナー違反の人が多いのには驚きでした。 タイム狙いの人たちの気持ちがよくわかるだけに複雑な心境です。上位を狙っているチーム、ゆっくりのチーム、ソロの選手、子どもたち。みんながストレスなく安全に走れる方法はないのでしょうか。

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たとえば最初の3時間だけ走路を分けるのはどうでしょう。一部の狭い部分を除き、レーンの3分の1を高速コース、3分の2を一般コースに分けるのです。3時間も過ぎれば、危険の元凶であるトップチームのほとんどはフィニッシュしていることでしょう(今回の42.195kmの優勝タイムは2時間19分台でした)。

 

いずれにしても「アクトス6時間リレーマラソンinナゴヤドーム」は、名古屋では貴重な“本格”リレーイベント。次回はより素晴らしい大会に進化しているよう願ってやみません。

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<大会講評>

名古屋では貴重な大手企業主催の本格リレーマラソン。ナゴヤドーム内を走れるのが最大のウリ。スポーツグッズや食べ物屋台などの出店が多彩。待機選手を飽きさせないイベントも盛り沢山。ただ、肝心の競技にあまり手間やお金をかけていない印象。後日郵送されてくる記録賞はペラペラのコピー用紙でガッカリした記憶あり(今年は不明)。交通の便は良い。着替えはドーム内通路に設けられた特設テント。トイレは必要十分。荷物預けあり(有料)。計時はたすきに縫いつけられたタグ。給水は水とスポーツドリンク。補給食はようかん・あめ・レーズン・梅干し。気温が高かったため、水を頭からかぶれるコーナーは助かった。参加賞はタオル、ミネラルウォーター、スーパーVAAM、牧歌の里ペア招待券。ゲストはアントキノ猪木。あ、そういえば昨年来ていたドアラは見かけませんでした。