新型コロナが落ち着き(油断はできませんが)、この秋〜来年にかけて久しぶりにマラソン大会に出場する方は多いのではないでしょうか。しかし1年以上にも及ぶコロナ休止期間を経てのレースともなれば、気づかぬうちに大きな負荷を身体にかけてしまう可能性も。ここは初心にかえってマラソン大会を楽しみたいものです。
東京マラソンのメディカル情報によると、スポーツ中の突然死で一番多いのがランニング。東京マラソンだけでも、2018年までの12回で心停止に陥った人が11名もいます。
全国のマラソン大会ではいったい何人の心臓が止まっているのか想像もつきません。恐ろしいことです(ちなみに東京マラソンで心停止した11名はいずれも命をとりとめています)。
マラソン中に心停止、または不幸にも亡くなってしまう人は、何も初心者に限りません。むしろ10年、20年走り続けているベテランほど無理してしまう傾向にあります。
私はこれまでレースでDNF(途中棄権)したことがありません。一時期はそのことを誇らしく感じていましたが、それは間違いで愚かなことだと気づきました。
無理を押して走り続けることの恐ろしさは、競技中 心停止に陥る人がこれだけ多いことでじゅうぶん説明がつくでしょう。 「今までDNFしたことがない」というくだらないプライドに囚われ、体に異変がおきても走り続けてしまうことの愚かさ・・・。
さて、やっと本題。タイトルのレース中に死なないための「もっとも効果的な準備」です。それはズバリ、体に異変が起きたらすぐにレースを中断するという「心の準備」に他なりません。
よく「やめる勇気」と言いますがまさにそのとおり。「異変の兆候を感じた時点ですぐ止まる」という心の準備をしておかないと、ランナーは本能的にだましだまし競技を続けてしまいます。
誰もが感じるであろう単なる筋疲労は乗り越えるべきですが、たとえば「胸が痛い」「めまいがする」「気持ち悪い」「頭が痛い」などの異変は死への第一歩。
いさぎよく中断する勇気を常に持ち続けましょう。 久々のレースで張り切りすぎてしまわないよう、じゅうぶん注意してマラソン大会にのぞんでください。見栄を張りがちなおじさんランナーはとくに要注意です。