犯罪者のランナーなのか、ランナーを装った犯罪者なのか・・・。今月9日、全国の男性ランナーの肩身を狭くする事件が発生。女性ランナーが夜間に単独で走るのは防犯上おすすめできませんが、男性もまた違う意味でリスクがあることをあらためて思い知らされました。
報道によると、宮崎県宮崎市で9日午後6時40分ごろ「女子高校生が歩いて帰宅中、ランニング中の男から身体を触られたとして、防犯メールで注意を喚起した』とのこと(西日本新聞)。 犯人は「黒色の長袖に黒色の長ズボンを着用し、帽子をかぶってマスクを付けていた」そうで、ランニングスタイルだったようです。
たまに類似の事件が起こりますが、これ、被害に遭われた女性はもちろん、我々男性ランナーにとっても非常に迷惑な話。
たとえば泥棒がスーツを着てセールスマンのフリをするのと同じく、ランナーを装うわいせつ犯もまた少なくありません。
過去には、善良な男性ランナーがわいせつ事件の犯人と誤認され、警察に拘束される事件も。このときは走る男性を警察官が「逃げている」と勘違いして拘束に至ったそうです(その後、無関係とわかり警察が男性に謝罪)。
このようにランナーを装った犯罪者(ランナーで犯罪者の場合も)のニュースが報道されるたび、まじめに走っている男性ランナーまで疑いの目がかけられやしないかと思うと腹立たしい限りです。
では、トラブルに巻き込まれないため、我々男性ランナーはどう気をつければいいのでしょうか。よくあるのが、ナイトラン中、前方に女性が1人で歩いているケース。 通行人が自分と女性以外に見当たらないない場合、傍目には「息をハアハアさせながら走る男が、女性の背後から近づいている」ように見えます。
これ、女性もかなり恐怖を感じるでしょう。 このような場合、私はまず自分の存在をわざとらしく咳払いで伝え、反対車線の歩道または端に移動して女性を抜かします。
「なぜそこまでやらなきゃいけないの!」と納得いかない気持ちはわかりますが、「自己防衛」と割り切りましょう。女性に恐怖を与えないためのマナーでもあります。
次は、前方に自転車の女性が走っていて、妙にペースが合ってしまうケース。「後をつけているわけじゃないから仕方がない」と自分では思っていても、相手はどう感じているかわかりません。
このような場合も、やりきれない思いはありますが、ペースを上げて抜かすか、反対車線に移動または進路を変更します。 「ただ走っているだけなんだから、そこまで気を使う必要などない!」と、釈然としない方も多いでしょう。
しかし、一歩間違えばトラブルに巻き込まれてわいせつ犯として逮捕・・・なんてことが現実に起こっているのです。 残念ながら、ナイトランする男性ランナーは誤解を受けやすい存在であることは間違いありません。なんとも世知辛い世の中ですが、現実なので受け入れるしかありませんね。