命に直結する「天候の急変」への備えは選手も主催者も念入りに。

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思っていた以上に暑くなったり、寒くなったり。マラソン大会では当日の天候を予測し、事前に対策を講じておくことが大切です。しかし、わかってはいてもついつい怠ってしまい、つらい経験をした方は多いのではないでしょうか。

町なかのロードレースならまだしも、逃げ場のない山の中を走るレースでは「天候の急変」は命の危機に直結します。

各社既報のとおり、中国甘粛省の山岳地帯で行われたトレイルランニング大会「黄河石林山地马拉松百公里越野赛」(100km)において、天候の急激な悪化により選手21名が亡くなる痛ましい事故が起きました。

ランニング大会の死亡事故は珍しくないとはいえ、21名という数字は聞いたことがなく、何かの間違いではないかと目を疑いました。 当日は最高気温19度、最低気温は9度と予報されていたものの、「午前9時にスタートした選手たちが約20~31キロ地点に差し掛かった昼前後に天候が急変」(朝日新聞)したといいます。

参加者には過去1年以内に50キロ以上のレースを完走した証明書の提出を求めていたそうで、けっして初心者ではなくそれなりに経験のあるランナーばかりだったはず(犠牲者の中には2019年UTMF2位のトップ選手も含まれています)。にも関わらずこれだけの犠牲者が出てしまったのはなぜなのか、原因の解明が待たれます。

ラソン大会の「天候急変」といえば、2007年10月に開催されたシカゴマラソンが思い出されます。季節外れの暑さに見舞われ、給水エイドの水が枯渇。 主催者は急遽レースを中止しましたが、時すでに遅し。選手約350人が次々に病院に救急搬送される事態となりました。

天候の「急変」とはいえないまでも、季節外れの暑さ・寒さはマラソン大会につきもの。とくに山間部を走るウルトラマラソンやトレイルラニングの場合、事前の天候チェックと適切な服装・準備は念入りに実施したいものです。