一部の人気マラソン大会がエントリー数を増やす一方、ひっそりと歴史に幕を下ろす大会も増えています。全体的には鈍化しているランニングムーブメントですが、これを裏付けるようなデータが発表されました。
スポーツシューズ・アパレル市場情報サービス「Japan Sports Tracker」を提供するエヌピーディー・ジャパンの調査によると、ランニングシューズ市場の成長率が急落しているとのこと。
『直近1年計(2017年5月~2018年6月)のランニングシューズ市場規模は対前年同期比+3%成長でスポーツシューズ市場の成長をけん引』しているものの、前々期(2015/5〜2016/4)の18%、前期(2016/5〜2017/4)の15%に比べて失速感は否めません。 ランニングムーブメントの鈍化に伴い、ランニングシューズ市場の成長率も低下してる事実が浮き彫りとなりました。
ただ、ランニングシューズの市場規模は1210億円(直近1年)で、いわゆるスポーツシューズのカテゴリー内では依然として最大勢力。 一方、市民ランナーから見るとなんとも理解不能なデータも。
それは、26%もの人が「ランニング目的にもかかわらず、ランニングシューズ以外のシューズを購入している」というデータ。 26%の方々はおそらくこれから走り始めようという初心者が大半だと思いますが、まちを走っている人の4人に1人がウォーキングシューズやカジュアルシューズなどを使っているということになります。
スポーツ系シューズ各カテゴリーの平均価格を見るとランニングシューズがもっとも高く、カジュアルシューズより20%も高価。このため「続くかわからないものにお金はかけられない。安いシューズでじゅうぶん」といった考えがあるのでしょうか。
npdジャパンは『ランニング市場の拡大を考えるならば、ランニング人口増加への取り組みと共に、ランナーにより正しいシューズ選びをしてもらうことも大切』であり、ケガを防ぐという意味でも『全てのランナーにとって適切なシューズを選ぶことが大切であることを理解してもらう』ことが『今後のランニングシューズ市場を開拓する上で必要』であると結論づけています。
最近は既存メーカーのランシュー参入や中小新規メーカーの進出が相次ぎ市場を食い合っている状況。4〜5年後には「結局、大手だけ生き残った」なんてことになりそうな気がしないでもありません。
■npdジャパンプレスリリース「<スポーツ調査レポート>ランニングシューズ市場規模、成長率急落 4人に1人がランニングシューズ以外でランニング」はこちら。