「ランニング再興」をテーマにランニング学会大会が開催。

第24回ランニング学会大会を聴講してきました。「ランニング学会」というと聞き慣れないかもしれませんが、あの「アミノバリューランニングクラブ」を主催・統括する団体といえばわかりやすいかもしれません。「ランニング学会大会」は、各分野の専門家がランニングに関する研究発表を行なう舞台です。本日は学会大会の様子をかいつまんでご紹介します。 gakkai01.jpg 今回の大会テーマは「ランニング再興」。震災後、日本各地のマラソン大会が軒並み中止になり、被害を受けられた市民ランナーの中には未だに「走る気が起きない」という方も少なくないでしょう。 そんな、日本の「市民ランニング」を取り巻く状況下のなか決定した「ランニング再興」というテーマ。いったいどのような話が聴けるのか、参加を決めたその日から楽しみにしていました。 学会大会が行われたのは3月18・19日の2日間。会場は立正大学 大崎キャンパスです。まずは受付を済ませ、会場となる教室へ。スポンサーの大塚製薬さんから、「アミノバリュー4000」「アミノバリュー顆粒タイプ10袋入り」「アミノバリューオリジナルウエストポーチ」の豪華なおみやげをいただきました。 gakkai02.jpg 会場はこんな感じ。いまの大学は設備が整っていてきれいですね。隔世の感があります。 gakkai03.jpg 初日はまず大会会長の山地啓司先生(立正大学)による基調講演から。「科学的根拠に基づくランニングのトレーニング法」というテーマで、主に筋パワー向上トレーニングと弾性エネルギートレーニングについて話されました。 gakkai04.jpg スクリーンにいきなり数式が並んだときは正直いいまして目眩をおぼえました・・・。 gakkai05.jpg しかし、「シューズの重さとシューズの弾力性の違いにみられるエネルギー消費量の相違」、「ランナーは弾性エネルギーを巧みに使うことによって、エネルギーを30~40%セーブできる」など、興味深い内容の話も聞けてたいへん有意義でした。 gakkai06.jpg ロビーを利用して行われた一般研究発表も熱気あふれる様子。発表する側も聴く側も真剣そのもの。 gakkai07.jpg ランニング学会大会はうれしいことに昼食付き。お弁当を食べながらの「ランチョンセミナー」(大塚製薬との共催)では、「ランニングにおけるBCAAの有効性」というテーマで2人の講師による講演が行われました。 gakkai08.jpg もっとも楽しみにしていたのは、3時30分からのシンポジウム「マラソン・2時間を考える」です。文字どおり、3人の専門家がそれぞれの視点から「マラソン2時間切り」の可能性をさぐるというもの。 gakkai010.jpg 電気通信大学の狩野准教授は「生理学から見たサブ2」、筑波大学の榎本准教授は「マラソン2時間のバイオメカニクス的考察」、そして『ケニア!彼らはなぜ速いのか』でミズノスポーツライター賞を受賞した朝日新聞編集員の忠鉢さんは「マラソン2時間と考え方の壁」という、それぞれのテーマで講演。 gakkai09.jpg その後、この3人に座長2人が加わり、パネルディスカッション「日本マラソン再興」が行われました。そして6時半、初日の日程が終了。 2日目はキーノートレクチャー「ランナーのためのクロストレーニング」、シンポジウム「ランニングと体脂肪~20分以上運動しないと脂肪は燃えないか?~」などが行われました。 別会場ではランニング関連商品・サービスのブースコーナーも。 gakkai011.jpg ほとんどは大学向けの研究用機器でしたが、ふだんあまり目にする機会がないためそれなりに楽しめました。 gakkai012.jpg gakkai013.jpg gakkai014.jpg 講演の合間にはサプライズゲストとして、ロンドンオリンピック男子マラソン日本代表が決定したばかりの藤原新選手が登場!五輪への決意を語ってくれました。 gakkai015.jpg さて、ランニング学会は、学会メンバーでなくても聴講できます(2日間5,000円。学会メンバーおよびAVRCメンバーは4,000円。学生3,000円。1日料金もあり)。 あくまでも研究発表を行なう「学会」なので、とくに文系の方にとってちょっと小難しいのは事実。しかしランナーであれば最先端の興味深いお話が聞ける貴重な機会なので、わざわざ交通費をかけて聴講しにいく価値はじゅうぶんあると思います。次回はみなさんも参加してみてはいかがでしょうか。 本日はランニング学会大会についてかいつまんでお届けしました。講演のなかでいくつか興味をひく話もありましたので、おいおいご紹介していこうと思っています。 なお、参加された方と学会メンバーの方のお手元にはあると思いますが、「ランニング学会会報 第30号」に『ナゴヤのRUNムーブメントを「文化」として根づかせるために』と題した駄文を寄せさせていただきました。寄稿の機会を与えていただいた広報委員のY先生、ありがとうございました。