「THE HUMAN RACE 10K at Mt.FUJI」を体験取材してきました。
自治体や新聞社主催ではなく、一スポーツメーカーが(事実上)主導する“初の大規模ランニングイベント”といっても過言ではないHUMAN RACE 10K。一体どのようなものなのか、この目で見ておかねばとはるばる富士・本栖湖まで行ってきました。(以下、敬称略)
Nike社が事実上の主催となっている「THE HUMAN RACE 10K」とは、世界25都市で同時開催される10kmロードレース&ライブイベントのこと。参加者は全世界で100万人(実際は不明)といわれています。 日本の開催地は富士山のふもと、本栖湖。全国各地からのツアーバスの他、河口湖駅間を結ぶシャトルバスなどで続々と参加者が集まってきます。
会場は真っ赤っ赤。赤いTシャツがナンバーカード(ゼッケン)を兼ねていますので、このような状態になります。
通常のランニング大会ともっとも異なる点といえば、参加者の年齢層が低い(20代中心?)ことと女性が多いこと。通常の大会で幅を利かせている“おっさん”層(私も含めて)は少なめでした。
マラソン大会会場特有のくっさいディクトン臭も漂っていません。 会場に着いたらまずはクロークに荷物を預けます。レースは数百名ずつのウェーブスタートで、この受付順に出走グループが決まります。私は3番目のスタートとなるCブロックでした。
スタートまで時間がありましたので、Nikeブースや食べ物屋台を物色。サプライコーナーではバナナ食べ放題、ゲータレード&ヴィッテル飲み放題の他、なんとパワージェルが取り放題でした。
そのうちサブステージでゲストの紹介が始まりました。あらかじめ予定されていた長谷川理恵、杉浦太陽、宇野薫の他、シークレットゲストとして北京五輪銅メダリストの朝原宣治も登場。朝原がステージに現れた瞬間、会場のボルテージは最高潮に達しました。ちなみに宇野薫は、全盛期のマラドーナのような胸板っぷりでした。
スタートはA組からO組まで、5分おきに行われます。道路のキャパに限界がありますので、ウェーブスタートは賢明な選択だと思いました。スタート台に立っているのは朝原宣治、為末大(400mハードル)、池田久美子(走り幅跳び)です。
やがて10:40分、私たちのCブロックがスタートしました。コースは本巣湖畔をめぐる絶景コース。レース中は、日差しが強いにもかかわらず肝心の富士山は雲に隠れているというなんとも意地悪な天候。レース途中、脱水症状でぶっ倒れて手当を受けている選手を3人も見ました。給水を怠ったか、無理をしてしまったのでしょう。
気温は30度近くあったのではないでしょうか。決してファンランするつもりはなかったのですが、結果は自己ベストより10分以上も遅い大惨敗に終わりました。
フィニッシュ地点は1,000円札にも描かれていることで有名な「逆さ富士」のビューポイント(当日は見えず!)。ここで完走記念品(タオル、ブレスレット)を受け取り、シャトルバスにて本会場へ戻ります。
本会場到着後すぐに荷物をピックアップし、簡易シャワーで汗を流して着替えを済ませました。写真の建物が更衣室です
すでにライブがスタートしており、ズンズンと重低音が腹に突き刺さります。ライブゲストは「DJ AKI」「The Cavemans」「サンボマスター」「HOME MADE 家族」「bird」「木村カエラ」など。まだレース中の人がほとんどなので観客は少なめ。
帰りの混雑を避けるため、ライブ会場の雰囲気だけ味わって帰途につきました。ライブを観ずに早々と帰る人は私ぐらいかなと思いきや、帰りのシャトルバスはどれも満員。私と同じく純粋に「レース」として参加している人が多かったのでしょうか。
<大会講評> 「マラソン大会をショーアップするとこうなる」という見本のようなイベント。かといって硬派な「競技性」を忘れていないところにも好感が持てました。カネをかけている割に参加料が安い(5,000円のうち2,000円はチャリティーに回されるので実質3,000円)。
赤字にならないのか心配。首都圏を中心に全国各地から格安ツアーバスあり。運営はしっかり計算されており、段取りよくスムーズだと感じました(時間帯によって混雑があった模様)。トイレは必要十分。広い更衣室あり。完走記念品はオリジナルタオルとブレスレット。ライブも本格的(観てないけど)。想像以上に素晴らしいランイベントでした。(本文中、敬称略)