新型コロナで中止になっていたマラソン大会が復活する秋に向けて、俄然はりきっている人は多いのではないでしょうか。しかし久々だからといってがんばり過ぎは禁物。昨日お伝えしたように、今年の夏(6〜8月)は例年より気温が高くなると予想されているため注意が必要です。
春から初夏へと向かうこの季節はまさにランニング日和!・・・のはずですが、一年のうちでランニングがもっともつらく感じる時季でもあります。それは体が暑さに慣れていないために他なりません。
とくに初めて暑い季節を迎えるビギナーランナーの方は、走っていて「すぐ疲れる。体の不調かな?」と心配になるかもしれません。しかしそれは単に体が暑さに慣れていないだけなのでひとまず安心してください。
体を暑さに慣らすことを「暑熱馴(順)化(しょねつじゅんか)」ということはご存知のとおり。日本気象協会ではそのメカニズムを以下のように解説しています。
「人は運動や仕事などで体を動かすと、体内で熱が作られて体温が上昇します。体温が上がった時は、汗をかくこと(発汗)による気化熱や、心拍数の上昇や皮膚血管拡張によって体の表面から空気中に熱を逃がす熱放散で、体温を調節しています。この体温の調節がうまくできなくなると、体の中に熱がたまって体温が上昇し、熱中症が引き起こされます。 暑熱順化がすすむと、発汗量や皮膚血流量が増加し、発汗による気化熱や体の表面から熱を逃がす熱放散がしやすくなります。」
有効な対策としては「実際に気温が上がり、熱中症の危険が高まる前に、無理のない範囲で汗をかくことが大切」で、毎日の風呂はシャワーのみで済まさず湯船にお湯を張ってしっかりつかることも大切だとしています。
さらには同協会では「ジョギングの場合の時間は1回15分、頻度は週5日程度」を推奨。ただしこれについてはランナーそれぞれの走力・体力が異なるため自身の体に相談しながら距離を伸ばしていくとよいでしょう。
昨日のトピックでも触れましたが、個人的な経験から毎年5~6月は「暑熱馴化期間」と位置づけ、長い距離を踏んだりハードなスピード練習は控えます。体に冬~春バージョンが残っているこの時期に無理をすると、ランニングがただただ不快なものになってしまうからです。
いずれにしても無理は禁物。ベテランランナーほど自分を過信してついついはりきり過ぎてしまいがちですが、秋のマラソンシーズンに向けて気持ちよく夏を乗り切りたいものです。