「東京・荒川マラソン事件」で唯一興味をひいたこと。
お騒がせなNPO団体による「東京・荒川マラソン」の一件。ワイドショーやネットメディアが面白おかしく取り上げ始めた時点で、事件そのものに対する興味は失せました。唯一興味があったのは、今回のエントリー代行業者であるRUNNET(アールビーズ)がどう出るか。その一点のみに注目していました。
事件が露見したのは大会2日前の19日。ネットを中心に話題が広がり、休日明けのワイドショーで大々的に取り上げられました。(事件の内容についてご存じない方は検索してみてください)
ワイドショーでは運営団体に対する疑惑を列挙し、そもそも本当に大会を開催する意志があったのかどうかを検証。
運営団体のスタッフや、中止を知らずに会場までやってきた市民ランナーへのインタビューを中心に番組を構成していました。
その中で「ランネット」という言葉が再三にわたって登場。これを見た視聴者は、運営団体と同等とまではいかないまでも、ランネットに対してプラスのイメージは持たなかったでしょう。私は番組側の“悪意”をほんのりと感じました。
RUNNETにしてみれば突然降ってわいた迷惑千万な話なのですが、このときネット上では「大会申請時の審査はどうなっているの?」という、RUNNETにとっては向かい風となる声がポツポツと挙がり始めていたのです。
雲をつかむような運営団体の実態だけに、非難の矛先がいつRUNNETに向いてもおかしくない状況だったのかもしれません。
初動を誤れば、長年築きあげてきた市民ランナーの信頼をなくしてしまう。それぐらいの危機を察知したのかどうかわかりませんが、早くも同日(22日)、RUNNET(アールビーズ)は「弊社より参加者の方に返金する」方向で検討を始めたことを表明。
“飛び火”してきそうな火の粉を迅速な初期消火でひとまず鎮火することに成功しました。こうした企業の潔い初動対応はあまり評価されることはありませんが、たとえばこれが「弊社はエントリー代行しただけの被害者」というニュアンスを発していたら今ごろ大炎上していたかもしれません。
どのような企業でもこうした危機管理は生命線。最近では某カップ麺メーカーが初動対応を大きく誤り、操業停止に追い込まれたのは記憶に新しいところ。
今回の事件自体はどうでもよいのですが、RUNNET(アールビーズ)の見事な対応と迅速な決断には感心しました。どのような企業でも危機は訪れます。それが本当は自社の責任100%ではないにしても、消費者本位の対応は必ず支持され、いずれは一時的な損失を上回る“利益”をもたらしてくれるでしょう。
名古屋ランニングジャーナルfacebookページ開設!
●『改訂版 名古屋みちくさランニング』発売中!