東海道と中山道を結ぶ脇往還として整備された「美濃路」。関ヶ原の戦いの後、徳川家康が凱旋の際に通ったことから吉例街道とも呼ばれています。名古屋の起点は熱田区の「七里の渡し着場跡」。美濃国 垂井宿まで、50kmロング走のスタートです。
まずは宮の渡し公園を通って内田橋北交差点を北へ。ほどなくして熱田神宮が見えてきます。道中の無事を祈って参拝していきましょう。
しばらくは国道19号を金山、大須、伏見、丸の内と、都心の街並みのなかをランニング。美濃街道はまた、ルート上で4つの城を巡るお城好きにはたまらないコースでもあります。いちばん初めに現れる城は名古屋城。
金のシャチホコを右手に見ながらそのまま国道22号を進むと、やがて庄内川につきあたります。枇杷島橋のたもと付近に美濃路を紹介する碑が立っています。
庄内川を渡ってしばらく県道を直進。やがて左手にキリンビール工場が見えてきたら二つ目の城、清洲城ももうすぐ。 現在建っている天守はRC造りの模擬城。遠くから見るとオモチャのようですが、近くで見るとなかなかしっかり作り込まれているのがわかります。清洲城は遠くより近くで見るべし。
スタートから20kmぐらいで稲沢市の中心地付近に到達。せっかくなので、はだか祭りで有名な尾張大国霊神社、通称「国府宮神社」に立ち寄りましょう。
国府宮からさらに県道を進むとやがて一宮市に入ります。木曽川近くの「起宿」はかつて多くの旅人が足を休めた宿場町。付近には起宿の脇本陣だった「旧林家住宅」が往時そのままの姿で残されていて、内部を自由に見学することができます。
濃尾大橋を渡るといよいよ岐阜県。長良川も越えたら、少しルートは外れますが墨俣一夜城にも立ち寄ってみましょう。模擬天守ですが、歴史資料館として開放されています。
ふたたび美濃路にもどり、大垣市の中心部へ。大垣城は戦前まで天守が残されていたものの空襲により消失。現在の天守は昭和34年に再建された、それなりに歴史がある建物です。
大垣はまた松尾芭蕉「奥の細道」結びの地としても有名。大垣城が天然の堀として利用していた「水門川」沿いは、風情があり走っていて飽きません。
JR大垣駅がスタートからちょうど50kmぐらい。ここをゴールにするのもアリでしょう。 ちなみに大垣駅から中山道側の起点「垂井宿」(JR垂井駅)まではおよそ6kmなので、「美濃路をコンプリートしたい」という方はがんばって走りましょう。いずれにしても帰りは電車で帰ることができるので便利です。