「横浜ノースドックラン2024」(横浜市)実走レポ。

11月2日に開催された「横浜ノースドックラン2024」を実走取材してきました。会場の「横浜ノース・ドック」とは横浜市神奈川区にある在日米軍基地で、みなとみらいの対岸に広がる瑞穂埠頭の大半を占めています。横浜ノースドックランは、ふだん足を踏み入れることができない基地の中を走れる貴重な大会です。

米軍基地内を走るマラソン大会といえば、米空軍横田基地の「フロストバイトロードレース」が有名。この横浜ノース・ドックは米陸軍の基地ではあるものの、おもに物資の陸揚げや軍事郵便の配達が任務。このためフロストバイトとは異なり、ミリタリー色はほぼ感じられません。

さて、当日はあいにくの雨。事前に「雨を避けられる場所は一切ない」と告知されていたため、少しユウウツな気分で会場へ。ゲートで軍人さんに荷物チェック、ボディチェックを受けて選手受付に向かいます。

横浜ノース・ドックに至る唯一の橋。この先にゲートが

選手待機場所は芝生広場と駐車場を合わせたエリアで広大ではあるものの、予告通り雨を避けられる場所がなく、かろうじて見つけた木の根元を待機場所としました(更衣テントはあります)。

この大会、ナンバーカードの事前郵送がないため、雨の中ずぶ濡れになりながらシャツに装着しました。せめて事前郵送してくれれば雨天時の煩わしさも少しは軽減するのですが・・・。

その後、レインコートを着てひたすらスタートのときを待ちます。雨脚は本降りの少し手前ぐらい。豪雨でないだけマシかも。みなさん、それなりに楽しそう。

荷物預かりは大きなビニール袋に自分のナンバーを書いて預けるかたち。受け取る際にスタッフがゼッケンの番号と袋の番号を照らし合わせていました。荷物預かり自体がない大会もある中、これは安心できるポイントでした。

開会式ではソプラノ歌手 中野亜維里さんが君が代およびアメリカ国家を独唱。素晴らしい歌声に感動しました。その他のゲストはプロランナーの吉田香織選手ら。

トイレが圧倒的に不足しており、男子トイレが長蛇の列。スタート時間が近づいても荷物預かりとトイレの列が解消されないため、スタートが10分ディレイとなりました。とくに雨天時は早め早めの行動が肝要ですね。まあ、とつぜんやってくる尿意・便意には勝てませんが。

ちなみに会場内で写真撮影できるのが選手待機場所のみで、走りながらの撮影はできません。施設、車両、船舶なども一切撮影禁止でした。

やがて10:30、10分遅れで10kmの部スタート。いざ走りはじめてしまえば雨など関係ありません。天然のシャワーはむしろ心地よいほど。

コースは基地内に設けられた1周5kmの特設コースを2周回します。起伏はほぼゼロ。2〜3カ所線路をかたぐところや急なカーブはありますが、おおむね走りやすい印象でした。滑走路かと思うほど長い直線の往復は心折れそうに・・・。

冒頭で触れたように、コース上にもミリタリー色はほぼ見当たりません(若干それらしい船は見かけましたが)。

対岸にみなとみらいの全景が広がるポイントでは思わず写真に収めたくなりましたが、走行中の撮影は禁止なので我慢しました。

米軍基地内ということで沿道の応援は期待していませんでしたが、スタッフや基地関係者の方々が声援を送ってくださり、励みになりました。

単調で飽きるかなと思いきや、意外と目に映る景観に変化があり、町なかのロードレースとは異なる非日常感が味わえました。距離表示は小さめながらも1kmごとにあり。給水は2箇所用意されており(スポドリと水)、必要十分でした。

フィニッシュ後は一時的に雨が上がったため、急いで荷物をピックアップして着替えました。ブース出展は唯一、米軍福利厚生課によるハンバーガーとビールの販売コーナーが。ゴールしたら食べようと楽しみにしていましたが、長蛇の列のため断念。食べたかった〜。

ハーフの部のスタートを見送り、雨脚が強まらないうちに会場を後にしました。来年は晴れるといいですね。選手のみなさん、ボランティアのみなさん、お疲れさまでした。