「篠山ABCマラソン」のコースは篠山城跡を発着点とする陸連公認コース。多少のアップダウンがあると聞いていましたが、思ったほどではありませんでした。ほぼ「フラットなコース」といっても差し支えないと思います。
前半は篠山市街を走ります。「地元あげての応援」といった雰囲気は、「いびがわマラソン 」に通じるものがあります。皆さん、応援自体をイベントとして楽しまれているようでした。
この大会で驚いたのは私設エイドの多さ。飲み物はもちろん、バナナ、パン、黒豆茶など、地元の方のホスピタリティをひしひしと実感しました。中盤戦でうれしかったのがこのおにぎり。名産の黒豆入りです。
もっとも楽しみにしていたのが「シシ汁コーナー」。24キロすぎにそれは現れました。
シシ汁は想像以上に本格的で具もたっぷり。こればかりは走りながら食べるわけにはいきませんので、立ち止まってゆっくりいただきました。
とにかくこれがこの世の物とは思えないほど激ウマ。体の塩分が不足していたこともあるのでしょうが、もう1杯食べたいという衝動を抑えるのに苦労したぐらいです。 念願のシシ汁を食べて気が抜けたわけではありませんが、その後は早くもペースダウン。心配していたハムストリングスの痛みも悪化し、筋肉痛を通り越して筋肉がちぎれるんじゃないかと思ったほど。ここまでひどい筋疲労は初めての体験でした。
そんな苦痛の中で迎えたのが、25キロ地点から35キロ地点ぐらいまで続く田園の中の1本道。景色が代わりばえしないため精神的にも肉体的にもツラいものがありました。おまけに強い風が吹きはじめ、みるみるうちに体が冷えていきます。アームウォーマーを着けていくべきだったと後悔したのはこのときです。 35キロすぎぐらいからは完全に腰が落ち、すり足に近い状態で歩をすすめるのがやっと。明らかに失速。失敗レースです。それでもなんとか歩くことなく、フィニッシュ地点の篠山城跡に帰ってきました。
ただ、ツラい展開であるほどフィニッシュはうれしいものです。終わってみれば自己ベストより10分ほど遅いタイムでしたが、歩くことなく「完走」できたことに満足しています。フィニッシュ後は一人ひとりに完走メダルがかけてもらえます。かなり肉厚でずっしりと重いメダルでした。 今回5戦目のフルマラソンで改めて感じたのは、「レース中に訪れる限界は何度か乗り越えられる」ということ。少なくとも1回目の限界は本当の限界ではありません。これについてはまた日を改めて記事にしたいと思います。