辺りには朽ち果てた石仏が所々に置いてあり、ちょっと不気味。石垣は荒れ放題で、見ようによっては古代遺跡みたい。奥深い森の山のてっぺんに石垣群が残されているなんて、なんとも不思議な光景だ。すっかりトレラン中だということを忘れ、探索モードに。
山頂には、これまた朽ち果てた祠と一体の石仏が。祠の扉を開けるとそこには・・・いえいえ、恐くて開けられません。
さらに調べてみると、石垣は山頂の広場を360度取り囲んでいるようだ。やはり城跡なのか。足下を見ると瓦のかけらのようなものも散乱している。
城跡なら案内板ぐらいあってもよさそうなものだが、何もない。謎の石垣群については家に帰ってからゆっくり調べるとしよう。 気分をかえて、最終目的地「岩見山」に向け再スタート。砂利道、落ち葉、岩場とめまぐるしく表情をかえる路面コンディションに合わせて走るのはじつに面白い。ロードでは味わえない、トレランの醍醐味の一つだ。
岩見山は、「岩見山 展望台」という木札がかかっている地点から、さらに西へ少し進んだところにあるピークからの眺望が素晴らしい。で、下の写真が岩見山 西のピーク。360度、遮るものは何もない。
赤い屋根の建物があるあたりが「リトルワールド」。岩見山から「もみの木キャンプ場(駐車場)」に戻るには、ピークの西についている岩ゴツゴツの道を下る。
八曽休養林自体はそれほど面積は広くないが、見どころがコンパクトに凝縮されていて楽しい。起伏も全般的にゆるやかだしトイレも要所要所に用意されているので、私のようなトレラン初心者にはもってこいのコースだと感じた。 ハセツネに出場するような上級者なら、八曽山から内津峠、さらには弥勒山、道樹山、JR定光寺駅を経て猿投山まで足を伸ばすのもいい。
八曽自然休養林周辺には「博物館 明治村」や「野外民族博物館 リトルワールド」などの観光スポットも充実しているので、秋の1泊トレラン旅行にもおすすめ。 さて、八曽黒平山山頂の遺跡の謎に戻る。家に帰ってさっそく調べてみると、あの石垣は戦国時代のお城ではなく、かつて建っていた「宗岳寺」という寺院の遺構なのだとか。明治11年に建立されたが、いつの間にか廃寺となってしまったらしい。