広がれ!「がんばった人が報われる」エントリー方法。

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「先着」にしろ「抽選」にしろ、すべての人を100%満足させるエントリー方法はありません。そこでこれからのマラソン大会では、エントリーできなかったランナーの不平・不満・怒りを少しでも和らげる運営側の配慮が求められるでしょう。こうした議論でかならず登場するのが、「努力した人が優先的に出場できるように」という声です。

ラソン大会が一般のイベントと一線を画す「スポーツ競技会」である以上、普段から競技としてまじめに取り組んでいる市民ランナーが優先的に出場できるよう配慮することは至極当然のはず。

しかし、東京マラソンをはじめ日本の主だった大会は「一律抽選(または一律先着)」がほとんど。 中にはいびがわマラソンなどのように「地元枠」「先着」「抽選」の3段階エントリー制に変更するなど、市民ランナーの「エントリーストレス」を少しでも緩和しようとする大会も増えてきました。

しかし「がんばっている人」に対する配慮は、とくに市民参加型ロードレースにおいてはまだまだほとんど見られません。※エリートランナー(国際ランナー)枠や、「別府大分」「読売防府」のような“準エリート”大会は除く。

そんななか「愛媛マラソン」が2013年大会から導入した「アスリートエントリー」枠は、まさに「がんばっているランナー」の努力に報いる制度として好評を博しました。

アスリート枠の「男子3:30以内・女子4:00以内」というタイム設定も絶妙。健康な市民ランナーなら、努力次第で“誰でも”達成できるタイムだからです。

次回大会(2015)ではこのアスリート枠が3,000名(一般募集は7000名)に大幅増員されたことからも、市民ランナーからいかに支持されているかうかがい知れます。

「努力していても年齢的な衰えによりタイムをクリアできない人は?」という声が聞こえてきそうですが、そこまで考えるとボストンマラソンのように年代別で細かく参加資格タイムを設定するほかありません。

まずは第一段階として、愛媛マラソンの「アスリートエントリー」のような動きが他の人気都市型マラソンにも広がればいいですね。