地方ほど“都市型”コースは難しい!?

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いうまでもなく、ロードレースは公道を封鎖して行われます。ある意味「地域の交通をマヒさせる」わけですから、なかなか主催者やランナーの希望通りのコースにならないのが現実。大会名に「シティ」と入っていても、実際には都心部をまったく走らない大会がほとんどです。最近では参加人数の増加により、郊外へと追いやられるレースも現れ始めました。

2012年の開催が予定されている「京都マラソン」もその一つ。当初は前身の「京都シティハーフマラソン」と同じく都市型コースがウリでした。ところが、「市民生活への影響が大きい」という意見が出て、「準都市型コース」にトーンダウンする可能性が濃厚になったのは既報のとおり。

愛知県豊橋市で3月27日に行われる「穂の国 豊橋ハーフマラソン(以下、豊橋ハーフ)」もまた、定員増によってコース変更を余儀なくされるようです。 豊橋ハーフはもともと都市型コースだったわけではなく、主に住宅地や緑道を走る典型的な「郊外型」でした。しかし少しだけ大通りを走れる区間があって、「市電と並走できる」という謳い文句とともに大会の目玉にもなっていました。

ところが最近、この「市電との並走区間」が短縮される可能性のあることがわかりました(東日新聞)。その理由は「定員増」。第1回大会の成功を受けて、定員を3,000人から4,000人に増員しようとしたところ、警察サイドから「待った」がかかったというわけです。

定員が1,000人増えることによる「安全確保が困難」なため、前回と同様のコースは「認められない」との回答だったようです。 都市型コース大好き人間としては誠に残念ではありますが、京都にしろ豊橋にしろ優先されるべきは「地元の方の生活」と「参加者の安全」。街なか走らせろ、といくら叫んだところでそれはワガママでしかありません。

と、こうして考えると、「東京マラソン」がいかに“奇跡”であるかがわかります。「東京は公共交通機関が発達しているから、道路を封鎖しても地方都市より影響が少ない」という意見もありますが、あそこまで惜しげもなく都心部の道路を封鎖して行われる(しかも長時間)市民マラソンもないでしょう。

ちょっと話がそれました。さて、来年3月27日に行われる「第2回 穂の国豊橋ハーフマラソン」。初心者にやさしい3時間制限ですから「初ハーフ」にはぴったり。コースは変更になる可能性が高いですが、すばらしい大会には違いありません。県外の方にもおすすめです。