第21回「2008いびがわマラソン」を体験取材してきました。いびがわマラソンはランナーズ誌の「全国ランニング大会100選」で常に上位ランクイン(2007年度は5位)する人気大会。実際に体験してみて、多くの人たちから支持される理由が分かったような気がしました。
「いびがわマラソン」は、岐阜県揖斐川町の庁舎周辺を発着点として行われます。名古屋駅からはJRと養老鉄道を乗り継いで約1時間(揖斐駅~会場まではシャトルバスで10分ほど)。
昨年は謎の発熱で出場を断念しただけに、そのぶん今回はとても楽しみにしていました。 種目はフルマラソンとハーフマラソンの2種目。ウォーキング大会も同時開催されます。山間を行く起伏のあるコースは“厳しいコース”と呼んでも差し支えないでしょう。
しかし「いびがわマラソン」の良さは、そんな“ハンディ”を差し引いて余りある、「選手やその家族をもてなそう、楽しませよう」という熱意に満ちあふれていることにつきます。
今まで多くのランニング大会に出場してきて分かったことがあります。それは、「主催者のやる気や熱意は参加者にかならず伝わる」ということ。決して予算や規模の差ではありません。
逆にいえば、“お役所仕事”として事務的にこなしている大会は、やはりそれなりの薄ら寒い雰囲気が漂っているものです。 たとえば例年約2万人を集める「名古屋シティマラソン」。私にとって地元大会であり年間のメインレースなのであえて名前を出しますが、じつは人気100選にランクインすらしていません。
大都市の看板大会で、しかも東海エリアでは参加人数がもっとも多いマンモス大会にもかかわらずランク外。これは何を意味しているのでしょうか。主催者は「黙っていても客が集まる」という考えをそろそろ改め・・・あ、話が脱線しました。
「いびがわマラソン」の記事でしたね。名 さて、要するに「いびがわマラソン」はひと言でいって「血が通った大会」であると感じました。
ランナーが気持ちよく走れるように、応援の家族が楽しめるように、地元の人たちがお祭り気分を味わえるように、あらゆる面で努力を惜しまない姿勢を強く感じました。このような熱いスピリットを持った大会は、残念ながらそう多くはありません。
私はそれほど全国各地の大会に出場しているわけではありませんが、少なくとも東海エリアでは「鈴鹿山麓かもしかハーフマラソン」に同じスピリットを感じます。 けっして「イベントや屋台を増やしてお祭りにしろ」、といっているわけではありません。何よりもベースとなるのは「ランナーが気持ちよく走れる環境づくり」だと思います。
イベントだけに力を入れ過ぎて競技をおそろかにすると、9月にナゴヤドームで行われた大会のようにお粗末な結果となりかねません。 今や空前のランニングブーム。これから「レースに出てみよう」と考えている人はきっと多いはずです。
初出場した大会が事務的でつまらないものだったら、「ランニング大会はこんなものか」と思ってしまうでしょう。それがどうにも歯がゆいので、あえて意見している次第です。 なんだか前置きだけで話が長くなっちゃったので、大会レビュー本編<レース編>は明日お送りします。