2010いびがわマラソンを体験取材してきました。
愛知県(名古屋)は三大都市圏に数えられるほど大きなまちであるにも関わらず、老若男女誰もが参加できるフルマラソン大会(自治体主導)が、誠に恥ずかしながら一つもありません。
今後、開催される気配すらありません。そんな、「おらが町の大規模フルマラソン大会」を持つことができないナゴヤランナーの唯一の誇り、それがやぶはら高原ハーフ「いびがわマラソン」なのです。
いびがわマラソンは愛知県ではなく岐阜県揖斐川町で行われます。しかしナゴヤランナーにとっては同じ東海エリアということで、「地元の大会」という感覚で参加されている方も多いのではないでしょうか。
いびがわマラソン最大の魅力はここで何度も触れているとおり、主催者と地域が一体となって作り上げるすぐれたホスピタリティ(おもてなしの心)であることは間違いありません。しかもエントリー料金が破格の安さ!「カネをかけなくても努力次第で何でもできる」見本みたいな大会です。
会場にいるだけで、コースを走っているだけで、「参加者に喜んでもらいたい!」という主催者の熱い思いがビシビシと伝わってくるのです。何から何まで事務的でホスピタリティのカケラもない(ボランティアの皆さんはのぞく)、改善する気もサラサラない・・・そんな某大会とは真逆です。
運営に携わる人間が異なるだけでこうまで差が出るのかと・・・いや、やめましょう。 あやうく話がそれるところでした。さて、いびがわマラソンは1988年に第1回大会が開催され、今年で22年目。昨年からやむなく1万人の定員が設けられるなど、東海地区、いや、日本を代表するフルマラソン大会の一つとして人気を博しています。
揖斐川町の中央公民館周辺に設けられた会場には、早朝から参加者とその家族で大にぎわい。期待、興奮、緊張、不安・・・いろんな感情が入り交じった妙なテンションを感じ取ることができました。食べ物屋台を物色してフィニッシュ後に何を食べようかと目星をつけておくのも楽しいものです。
そして10時ジャスト、フルマラソンの部スタートです(ハーフの部は10時30分)。ゴンドラに乗っているのは高橋Qちゃん、西田ひかるさんなど。前方にTVカメラらしきものを見つけると、みんな手を振って猛アピールです。
レース序盤に赤いユニフォームを着た幼稚園の鼓笛隊が登場するのですが、今年もいました。子どもたちがけなげに応援してくれる姿を見て、涙しない人はいないでしょう。連写モードでカメラに収めたつもりが、見事にぜんぶピンボケでした・・・残念。
今回のレースプランとしては、10月の「かもしかハーフマラソン」の好調をふまえてキロ5分を切るぐらいのペースで刻み、最終的に3時間30〜35分の間でフィニッシュする作戦をたてました。ところが好調ゆえの副作用でしょうか、どうしてもキロ4分30〜40秒と大幅にペースが上がってしまいます。
10キロ地点のタイムが45分でしたので、明らかにオーバーペース。とにかく抑えるのに必死でしたが、どうしても4分40秒前後になってしまいます。きっと意識の奥に、ペースダウンに対する強い恐怖があったのでしょう。
そんな葛藤を繰り返しながら、いつのまにか中間点まで到達していました。最悪だった昨シーズンは15キロ地点ぐらいからじわじわと脚に疲労が出始めていたのですが、今回はハーフ地点を過ぎても違和感すら感じなかったのです。「これ、サブ3.15とかいける?」みたいな勘違いをしでかしてしまったのは25キロ地点手前ぐらい。
無謀としかいいようがないのですが、キロ5〜10秒ほどペースアップしてしまったのです。そのしっぺ返しはすぐに訪れました。30キロ地点を過ぎたあたりから今までなんともなかった脚が、急に重くなってしまったのです。
そしていつものように35キロ地点で完全に「脚が終了」。 それでも残り7キロを気力で5分台後半〜6分台前半でしのぎ、なんとか生涯2度目のサブ3.5(3時間28分台)を達成することができました。昨年の3時間38分から10分も縮めることができ、内容はともかく結果的には大満足です。
フルマラソンは今後、奈良、東京、板橋(DNSかも)、長野と続きます。予定としては奈良でペース感覚に磨きをかけ、東京で自己ベスト更新。長野は余裕の心でさらなる更新にチャレンジ!・・・みたいな青写真を描いております。さて、どうなることやら。 いびがわマラソンに出場された選手の皆さま、ボランティアの皆さま、応援していただいた沿道の皆さま、お疲れさまでした。