2010北海道マラソンvol.2[レース編]。

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通常、マラソン大会は8時〜10時ぐらいまでの間にスタートすることが多いもの。ところが北海道マラソンの場合、スタート時刻は12時10分。夏マラソンとは思えない、かなり遅めの号砲です。

ということでレース当日はゆったり8時半に起床し、ホテルの朝食バイキングで炭水化物を補給。その後、部屋に戻ったもののやることがなく、早々とスタート会場である中島公園へ向かいました。

 

中島公園に到着すると、会場はすでにたくさんのランナーであふれかえっていました。着替えはホテルで済ませてきましたので、ここでもやることがありません・・・。そこで適当な場所に腰をおろし、ひたすら他のランナーをじぃぃっと観察していました。

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そこで感じたのは、意外に女性ランナーが多いこと。「半数近く女性ランナーなのではないか」と思ったものの、実際にはエントリー数8,861人に対して女性ランナーは1,402人でした。女性ランナーのウェアがカラフルで目立ったこともあり、多く見えたのかもしれません。

 

やがて整列開始時間が迫ってきましたので荷物を預け、スターティングエリアへ移動しました。エリアへの入口は厳密に管理されており、異なるブロックの選手が他のエリアへ入り込む余地はなさそうでした。

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ひたすら待つこと30分、ようやく「スタート5分前」のアナウンス。1分ごとにカウントダウンされていき、いよいよ「スタート10秒前」。ざわついていたスタートエリアが一気にシーンと静まりかえります。ゾクゾクするような感覚。このスタート直前の雰囲気も、マラソンの大きな魅力かもしれません。

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12時10分、高橋はるみ北海道知事により号砲が打ち鳴らされました。雄叫びをあげる人、拳をつきあげる人、黙々と歩を進める人。ランナーによっていろいろな個性があります。カメラを前方にみつけると、みんな一斉に猛アピール。どこの大会でも見かける光景です。

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序盤は満員電車状態。しかしここで焦っても仕方がありません。5km地点を過ぎるころからようやく人と人の間に少し隙間ができてきました。

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8km地点付近の南七条橋を渡って都心方面へ。前方にビル群が見えています。

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レース中はとにかく体が焦げるように暑く、エイドのたびに頭から水をかぶり全身ずぶ濡れ状態に。はじめのうちはシューズが濡れないよう気を使っていたのですが、途中からそんなことはどうでもよくなりました。あちこちで全身に水をぶっかける選手たちが続出し、エイド周辺の路上には水たまりができるほど。

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今大会における給水所の充実ぶりは見事でした。ボランティアの皆さまにはホント頭が下がります。あの充実した給水&スポンジがなければ完走できなかった、そう断言してもいいぐらいエイドに助けられたレースだったと思います。

 

異変を感じたのは15km地点でした。いつものマラソンなら30km地点で襲ってくる疲労感が、早くもやってきてしまったのです。これが本当に30km地点であれば、「あと12kmをいかに走るか」経験にもとづくシミュレーションはできています。しかし、今回は27kmを残して「マラソンの壁」が立ちはだかりました。これは当然はじめての経験です。

 

「走りきれるのか?」。そんな思いが頭をよぎりました。しかし行けるところまで行くしかありません。ここで目標フィニッシュタイムを3時間45分からサブフォーに修正。ペースを落としたことにより、いくぶん体がラクになりました。

 

その後もエイドごとに全身をくまなく濡らし、クールダウンに努めました。エイドのボランティアの方々が「ほら、冷やせ冷やせ!」と水やスポンジを手渡してくれるので非常に助かりました。 19km地点付近からはじまる新川通の長い直線もこれまたキツかった!

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唯一の救いは対向する道路をエリート選手達がつぎつぎに駆け抜けていったこと。まさに特等席でのレース観戦です。私はちょうど中間点ぐらいで男子のトップ、モグス選手とすれ違いました(モグス選手は30km地点)。

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後続の選手がかなり離れていましたので、「モグスの優勝」を確信しました(ところが結果は3位に沈むという信じられない展開に)。その後も原選手や那須川選手などの女子有力選手の走りを“生観戦”し、26km地点を折り返してふたたび都心へと進路を取りました。

 

30kmをすぎたあたりから「歩きたい」という思いが強くなっていきました。何度も何度も葛藤しつつ、なんとか走り続けることができました。ラップは6分台に落ち込み、ジリジリと7分台に近づいていきました。

 

で、ふと気づいたら走るのをやめて歩いていたのです!ハッと我に返ってふたたび走り出しましたが、また気づくと歩いているの繰りかえし。このときわかったのは、「歩きたい」と葛藤している時点ではまだまだ走れるということ。

 

歩くときは放っておいても無意識に歩いちゃうもので、能動的に「歩こう」と思って歩くのは甘えであることを思い知らされました。 北大の中の39km地点を過ぎるころ、4時間以内が絶望的であることを悟りました。もうタイムはどうでもよく、とにかくフィニッシュラインを越えることだけに意識を集中。

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目の前に赤煉瓦の旧庁舎が見えます。あの角を左に曲がればフィニッシュは目前です!

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そして最後のストレート。見知らぬ人たちが「がんばれがんばれ」と大声援で背中を押してくれます。

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フィニッシュ手前100mぐらいでしょうか。このときじつは意識朦朧&疲労困憊でフラフラと歩いておりました。が、ふとゴールシーンを収録したDVDを予約したことを思い出し、「颯爽とゴールせねば!」と体中のアドレナリンを脚に集中させました。

 

ところが、フィニッシュライン付近が異常に混雑しているではないですか!これではカメラに写りません。そこで、できるだけ人が少なくなるまで待機し、タイミングを見計らってフィニッシュラインを越えました。

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タイムは・・・フル10戦目にして初の4時間越え(4時間と一桁)を喫してしまいました。でもこのコンディションで完走できただけでも満足です。翌日の北海道新聞にも「普段3時間半で走れる人が4時間を超えてゴールした人も多かった」と書いてありましたし、気にする必要はないでしょう。たぶん。

 

しかしあれだけキツかったはずなのに、なぜか「楽しかった」という印象しか頭に残っていないのが不思議です。これぞマラソンの素晴らしさというべきでしょうか。すでに次回の攻略方法を考え始めています。