今シーズンのフルマラソン出場は今回の東京で3戦目。1戦目は「いびがわ」、2戦目は「奈良」。とくに、起伏の激しい奈良で自己ベストを出せたことから、“フラット”な東京では奈良の記録を上回って「当然PBを更新するだろう」と疑いもしていませんでした。ところが・・・
さて、レース結果は後ほど触れるとして・・・。当日の様子を順を追って紹介していきましょう。2008年大会時にはなかった“検問”を通過し、都庁西の会場に到着したのは朝7時30分。
当日の予想最高気温はなんと17℃。東京マラソンにしては珍しく高温レースになることが予想されましたが、さすがにこの時間は肌寒く、上着なしでは震えるほどでした。 しばらくはウォーミングアップがわりに会場内を撮影しながらブラブラ。手荷物を預けたのは8時です。そのままスターティングエリアへと通じる階段を上っていきました。
3年前に出場したときはBブロックでしたが今回は「C」。ひとつ後退したものの、全体から見れば前のほうには違いありません。
スタートまでとくにやることもなく立ちつくしていると、産経新聞のカメラマンが近くでパノラマ写真を撮りはじめました。そのときの写真がこちら。しっかり映っていました。
やがて9時5分、車いすの部がスタート。そしてその5分後、マラソンおよび10kmの部の号砲が東京の空に鳴り響きました。3万6千人の地鳴りのような歓声がわき起こり、脳内のアドレナリン噴出量もMAXに。
スタートライン通過までのロスは2分30秒。
ランナー集団はひとつのカタマリのまま新宿のまちへ。道路を埋め尽くす大群衆を沿道から見たら、さぞや壮観だったことでしょう。
ここで焦ってジグザグに前のランナーを抜いていったって仕方がありません。流れに身を任せて進むだけです。入りの1kmのラップは8分。スタートロスを引いて6分30秒。まあ、こんなものでしょう。
3キロ地点からは、相変わらず人は多かったもののキロ約4分40秒の想定タイムで刻めるようになりました。このままペースをキープすれば、フィニッシュタイム3時間17分〜20分の間におさまります。このときは「絶対いける」と高を括っていました。
10kmのフィニッシュ地点である日比谷公園を過ぎても、ペースの乱れはまったくありませんでした。やがて泉岳寺付近にさしかかると、あの「マラソン1年生」シリーズでおなじみのランナー兼イラストレーターたかぎなおこさんエイドを発見!みかんを一切れいただいてビタミンを補給。元気をもらったそのままの勢いで品川の折り返しポイントへ。
品川を折り返すと、往路に大勢の後続ランナーの姿が。仮装ランナー、オシャレな女子ランナー、外国人ランナーなど、さざまなランナーを眺めながら走っていると気が紛れ、いつのまにか銀座へと到達していました。
反対車線にはすでに速いランナーの姿がちらほら。やがて中継車を引き連れた一団がさっそうと近づいてきました。よく見ると渋井陽子選手でした。
銀座を抜けると浅草寺に突き当たります。ここも応援ポイントとして人気らしく、ハンパない数のギャラリーが歩道を埋め尽くしていました。
浅草を過ぎてしばらくいくと、目の前にドドーーンっと東京スカイツリーが!
脚にきちゃったのはまさにこのあたり。それは唐突にやってきました。25〜30kmのラップが24分に対し、30〜35kmのラップは28分という落ち込みぶり。見事なまでに「30kmの壁」に立ちふさがれてしまったのです。
「前半突っ込んで後半失速」というのはお約束ですが、奈良マラソンのときは同じペースで35kmまで引っ張れたことを考えると、30kmでの失速はちょっとショックでした。 それでもなんとか5分〜5分30秒あたりを行ったり来たりしながら佃大橋に到達。
ここでクリールの「トレイル通信」でもおなじみの吉本亮さんに抜かれました。巨大なパックを背負いながらも、めっちゃ軽やかな足取りであっという間に遠ざかっていきました。さすがです。
その後はさらに疲労が増し、「歩いちゃえ」という強烈な誘惑が襲ってきました。しかし、走りたくても走れないランナーが30万人近くいることを考えると、歩くなんてできるはずがありません。 そして迎えた41km地点。なにやら見覚えのあるものが・・・
なんとFUNRUN758オフィシャルTシャツ(くまT)がはためいているではありませんか!じつはツイッターで知り合った方が「41km地点で応援している」ということを聞いていましたので、とても楽しみにしていたのです。
となりに見える「走る」というのは、「走るTシャツ」を通じて社会貢献活動をされている走る.jpのみなさん。昨年もこの地点で応援されていたそうです。 長い旅路の果て、ようやく42k地点に到達。あと0.195km進めばフィニッシュです。30km地点から「早く終わりたい」と願っていたはずなのに、あと100mで終わってしまうと思うと急に寂しさがこみ上げてきました。
そして、フィニッシュ。
タイムは3時間34分27秒。ほんの2ヵ月前の奈良マラソンより10分遅い結果に終わりました。「自己ベスト更新が当然」だと思い込んでのぞんだこのレース。 やはりマラソンには「絶対」も「確実」もないし、ほんの少しでも「慢心」があれば良い結果は絶対に得られないということを改めて実感しました。悔い改め、4月の長野に挑みます。 ●明日はvol.3「フィニッシュ後」篇をお届けします。