2013白馬国際トレイルランvol.1<激闘!レース>篇。

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第3回白馬国際トレイルランを実走取材してきました。評判通りのあたたかくてきめ細かな運営に好感が持てました。この充実したランナーサービスやおもてなしについては明日のvol.2でお伝えするとして、本日は「レース」篇をお届けします。 

ロング50km、ミドル30km、ショート20km、そしてファミリー&トライアル7kmの全4種目が用意されています。 私が出場したのはまさかのファミリー&トライアル部門。その名のとおり、小さな子どもや普段走ったことがない方でも参加できるよう、大会側が用意したアトラクション的な部門です。 このほのぼのムードただようファミリー部門で入魂のガチ走りを敢行し、あわよくば入賞してやろうというのが今回の真の目的でした。

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ファミリー部門のエントリー数は175名。ちなみに、バックパックを背負っている人たちはショートの部(イエローのゼッケン)の選手です。

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ファミリー部門の表彰対象は男女別総合で3位まで。年代別表彰はありません。つまり、幼稚園児からおじいさんまですべての男がライバルということになります。スタート地点でざっと見渡す限り、そこには競走など無縁と思われる親子連れや子どもたちの姿がありました。 一見して速そうなランナーは見当たりません。「これはマジでいけるかも」とほくそえんだ矢先、目の前にランシャツ・ランパンに身を固めた集団が!(写真奥はショートの部が先行スタートしたところ)

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なんと地元中学校の陸上部員が参戦していました。現役が出てくるとは思わなかったのでちょっとショックでしたが、逆に闘志がメラメラと沸き起こり、この子たちをロックオンすることに決定。背後霊のようにそっと密着。そしてスタート! まずは白馬八方のホテル街を八方尾根方面へと走ります。中学生軍団のロケットスタートに面食らいながらもなんとかついていきました。

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沿道の方々には、中学生たちに必死な形相で食らいつくおっさんはかなり奇異に見えたでしょう。 生まれて初めてのトップ集団。とてつもない快感。ああ、なんて気持ちがいいのでしょう。すでに気絶しそうなほど苦しいのに、自然と笑みがこぼれてしまいます。 しかし、スタートから700mぐらいで急坂が待ち受けていて、一気に失速。あまりの急勾配に「オエェェーーー」とえずきながら死に物狂いでついていこうとするものの、さすが現役は急坂でもペースが落ちません。

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みるみるうちに引き離され、姿が見えなくなってしまいました。待って〜!結局、トップ集団で走ったのは最初の800mだけでした・・・。ここらへんの写真は激しくえずきながら撮っているのでピンぼけしています。ご了承ください。

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ここからは抜くこともなければ抜かれることもない一人旅が続きました。もはや入賞は絶望的でしたが、せめて年代別で1位(表彰はありません)を獲ってやろうと必死でした。前方に小さく見えるのはショート部門の選手です。

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ボランティアや沿道の方々は「ファミリーの部なのに、なぜあんなに必死なんだ」と思われたに違いありません。

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やがて白馬八方のホテル街に戻ってきて、声援を浴びながらゴール。なぜかすごくうれしくて、ふだんは絶対にやらないバンザイポーズでゴールテープを切りました。ファミリーの部のくせに。

 

じつは、あまりにも必死すぎて意識が朦朧としていたため、途中でコースを見失い3分ほどロスしてしまいました。正直、悔しいですが仕方ありません。 今回、ファミリーの部に参戦ということで物足りなさを感じるかと思っていましたが、トップ集団で走れるなどじつに楽しいことが分かりました。

 

いわゆるファミリー部門の面白さについては、日を改めてじっくり語りたいと思っています。 ひとついえるのは、「レースでファンランなどあり得ない。全力で挑んでこそ真の楽しさが見えてくる」というポリシーをさらに確信したことです。これだけは譲れません。 明日はvol.2<すばらしいおもてなし>篇をお届けします。