「第1回 名城公園年代別マラソン・フェスタ」を体験取材してきました。参加された方はお分かりかと思いますが、あらゆる意味でツッコミどころ満載のイベントでした。
この大会はいわゆる「手作り大会」と呼ばれるもので、自治体や新聞社などが主催・共催・後援にからむような規模の大きい大会ではありません。しかし、予想に反して受付会場には、想像を超える多くの市民ランナーが集まっていました。
受付に並ぶ長蛇の列。
やはり名古屋のランニングの中心地である「名城公園」の名を冠した大会で、しかも「第1回」ということが魅力だったのかもしれません。参加者の多さを目の当たりにして、果たして主催者はしっかりレースをさばけるのか心配になってきました。
会場に貼り出されたコース図を見て、心配がみるみるうちに「不安」に変わっていきました。なぜならそれはまるで、迷路そのものだったからです。
名城公園内に整備されたランニングコースは1周1.3km。私がエントリーしたのは10kmの部ですから、単純にぐるぐると周回するものとばかり思っていました。しかし図に示されたコースは複雑に入り組んでおり、何が何だかさっぱり分かりません。
何周するのかも定かでなく、係員の答えも曖昧です。 コース図の前には人垣ができ、指定されたコースを「解読」する議論がスタート直前まで巻き起こっていました。名城公園を走り慣れている私ですら理解するのに30分ほどかかりました。10kmの部でお手上げ状態ですから、ハーフの部に出場する人たちの理解不能度、不安感は察するに余りあります。
ある程度のグダグダは覚悟していましたが、スタート時間の再三にわたる変更(遅らせるのではなく早めた)はいただけません。しかも変更の告知が小さな紙を貼り出しただけなので、それに気づかずスタート時刻に間に合わなかった人が続出したようです。
レース自体はいろんな意味で楽しめました。この大会のために公園を借り切っているわけではないので、当然、一般の人たちも多数訪れています。よちよち歩きの赤ちゃんが目の前を横切ったり、ネコの集団が足元を爆走したり、幼稚園児の自転車に追い抜かれたりと、通常のロードレースでは体験できないスリリングな展開が味わえました。
簡単にいえばこの大会、「参加者が集まりすぎて主催者の運営能力を超えちゃった」ということに尽きると思います。 もし来年も開催するのだとしたら、外部から大会運営に長けたディレクターを招聘して企画を練り直した方がいいのではないでしょうか。
ちなみにボランティアの方々は皆さん親切で、一生懸命動いてくださっていました。 <大会講評> 「3km」「5km」「8km」「10km」「ハーフ」の5種目が用意されており、年代別に細かく順位が付く。地下鉄駅至近。駐車場あり。ただし会場への誘導はなし。計測はゼッケンに貼り付けられたトルソータグのようなチップ。記録証は即発行。
参加賞は地肌が透けるTシャツ、ドリンク、パン。完走賞はメダル(完走しなくてももらえる)。コースは名城公園内と園外の歩道の一部を周回。ランニングショップあり。給水ポイントあり。表彰は各部門年代別3位まで。
さて、マイナス面ばかり書き連ねてしまいましたが、良いところもいっぱいありましたので付け加えておきます。この時期に都心で開催される貴重な大会であること、緑いっぱいの公園内を走れること、種目の変更に応じてくれること、観光やショッピングも兼ねられることなど。自治体主催のようなしっかりした大会のつもりでいくと不満が出てきますが、「少々のことは仕方がない」という心づもりで参加すればじゅうぶん楽しめると思います。