第14回スズカ8時間エンデューロ秋SPを実走取材してきました。今回はクロストレーニングもかねてランナー仲間7人(2チーム)と4時間耐久の部に参戦。レーシングコースを駆け抜ける爽快感とスピード感は、ランニングではけっして味わえない格別なものでした。
スズカエンデューロは、F1日本グランプリの舞台・鈴鹿サーキットの国際レーシングコースを周回する国内有数の一般大衆向け自転車耐久レース。 駐車場の混雑回避と場所取りのため、まだ薄暗い早朝から続々と選手が集まってきます。前夜からの雨はかろうじて上がったものの、試走タイムの時点でコースはウェットな状態でした。
初めてのバイクレースでただでさえ緊張しているのに、路面が濡れていてスリップの恐怖が倍増。そこでゆっくりと試走しながら、とくに各カーブの曲がり具合と下り坂の傾斜を頭に刻みました。 鈴鹿サーキットのコースはマラソン大会で何度か走ったことはありますが、バイクで走るのとランニングでは大違い。当然ながらスピードが違います。
それはときに快感、ときに恐怖となって心を支配します。その境界線はあいまいで、技術と経験がないにもかかわらずスピードに酔いしれすぎると、他者を巻き添えにするような大事故を招きかねません。
とくに最終のダンロップカーブからS字コーナーにかけて、カーブが連続するうえにかなり長い下りが続きます。まさにコース中もっとも快感と恐怖がせめぎ合うポイント。 恐怖が勝ればとりあえず安全かというとそうでもなく、下りカーブでは怖さのあまりついつい中央寄りに斜行してしまい、後続車と衝突する危険も。
ともあれ、レース中は「このまま快感(スピード)に身を委ねたい」という悪魔の誘惑を振り切るのが大変でした。逆にいえば、「もっとスピードに身を委ねたいから練習しよう」という気にもなりました。 恐怖といえば、後ろから迫り来る(自分よりも速い)選手の圧力。レース中は「左が遅い人」「右が速い人」の走行レーンと定められていたので、つねに左端あるいはコースの左半分を走るように気をつけていました。
しかし、後方から腕が触れるほどギリギリでかすめて抜いていく選手はかなり怖かったです。 さて、スズカエンデューロはメインのロードバイク部門の他にも様々な部門が用意されています。このためコース上にはクロスバイク、MTB、小径車、そしてママチャリの姿もチラホラ。
中には仮装ライダーも。マラソン大会の仮装ランナーは取り上げたい気持ちになれませんが、バイクレースの仮装は大人の心で素直に応援することができました。
それはきっと、毎回真剣に挑むマラソン大会と異なり、今回は余興の一環として参加しているからでしょう。といいつつ、やはりレースでゆっくり走るなどということはできませんでしたが。 もう一つ会場で気づいたのは、タバコを吸う人が多いこと。これは、競技ではなく「ホビー」としてバイクをたしなむ人が多いからでしょうか。・・・余談でした。