民間だけでなく各自治体も、いまだ衰えることのないランニングムーブメントを見逃せないようです。最近、自治体主導によるランニングコースの整備が相次いでニュースになりました。
まずは長野県の白樺湖畔。長野日報によると、昨年より茅野市が進めていた新たな遊歩道(の一部)が近く完成する見通しとのこと。白樺湖は立科町にも接しているため、茅野市と立科町が連携して4年計画で湖畔をつなぐ構想だそうです。
茅野市の柳平市長いわく、新たな遊歩道は『湖面に近い場所を走ることができ、白樺湖の魅力を感じてもらえるのではないか。高地トレーニングにも最適。ジョギングやランニングをする人は増えており、多くの人が訪れてくれると思う』(長野日報)とのこと。
白樺湖といえば、すでに全長38kmにもおよぶ「霧ヶ峰・美ヶ原中央分水嶺トレイル』が整備済みですし、白樺湖&女神湖など優良コースが充実。あらゆるコースバリエーションが楽しめる、まさにランナーのためのリゾートといえます。
同じく長野県諏訪市では、諏訪湖畔に整備されたジョギングロードの一部をランナー(歩行者)用と自転車用に分ける社会実験を始めました。
もともと諏訪湖畔のジョギングロードは自転車原則禁止なんだそうですが、現実には通勤・通学時に自転車で走る人が多く、歩行者との接触トラブルなどが懸念されていました。
ただ、今回の社会実験は遊歩道の真ん中に白線を引いただけ。『湖側を歩行者用、反対側を自転車用とした』(信濃毎日新聞)・・・のはいいですが、果たして効果があるのでしょうか。それを見極めるから社会実験だといえばそれまでですが。
京都でもジョギングコースの整備計画が進んでいます。それも、鴨川沿いの30kmといいますからかなり本格的でうらやましい。 川沿いのコースは途中で分断されるケースが多いものですが、鴨川で計画されているコースはこうした分断地点に橋をかけるなどの改良を施し、快適に走れるよう整備するそうです。
京都府は『整備が終わった上流部では、ジョギングを楽しむ人が増えた。一気に30キロを走るは大変だが、身近な場所で体を動かしながら鴨川と親しんでもらいたい』(京都新聞)と意気込んでいます。
こうして自治体がランニングコースの整備に乗り出してくれると、その土地のランニングムーブメントはより活性化するのではないでしょうか。 名古屋(愛知)にも「尾張広域緑道」や「庄内川河川敷」など、将来的にフルマラソンも可能な本格ランニングコースの可能性を秘めた場所がいくつか存在しています。
しかし、自治体がランニングコースづくりに乗り出すという話はなかなか聞こえてきません。 京都・鴨川や大井川リバティの例のように、分断箇所を改修して広域に渡るコースを整備することは自治体にしかできないこと。いくらお金や情熱があっても民間では不可能なのです。
まあ、かつて存在していた「尾張サイクリングロード」のような中途半端なものなら、初めから整備しない方がマシですが。