昨年、平城遷都1300年を記念して開催された「奈良マラソン」。当初は「1回限り」という可能性があったものの、成功をおさめたことにより継続開催が決定。そして昨日、第2回大会が行われました。
前回は(大規模マラソンとして)初開催とは思えない、ソツのない運営と町をあげてのホスピタリティに感動したものです。今回は運営面でさらに改善が見られるなどよりパワーアップしていると感じました。 奈良マラソンのスタートは9時。会場到着後、早々に荷物をあずけてスタート待機エリアへ。各ブロックの入り口にはスタッフが立ち、異なるブロックの選手が紛れ込むことのないよう目を光らせていました。
やがて待機エリアからスタートライン近くまでゾロゾロと移動。号砲まであと10分余りと迫ったそのとき!とても残念な光景を目撃してしまいました。 道路上に整列していると、2〜3人の選手がスターティングエリアを離れてコース脇にあったベーカリーレストラン方向へと小走りに駆け出していきました。
「まさか・・・」と思って見ていると、駐車場の奥のほうで立ちションし始めたではないですか! すると、「我も我も」と20人ぐらいの選手がエリアを次々に離脱して、横一列に並び立ちション三昧。なんということでしょう・・・。
被害に遭ったお店の方々をはじめ、たくさんの応援の人達やボランティアが見ているスタート地点で堂々の犯罪行為。怒るより先に呆気にとられてしまいました。 シェフらしき人の困ったような表情が忘れられません。自分の店の敷地に立ちションされたわけです。どんな気持ちだったでしょうか。想像するだけで胸が痛みます。
同じ選手として、お店の方、奈良の方々に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。 奈良マラソンのトイレはけっして少なかったわけではありません。むしろ待機エリアにはかなりの数のトイレを揃えていたほど。 それにもかかわらず、衆人環視の中で何の臆面もなく犯罪行為に走る輩たち。
いやな光景を見てしまい、号砲間近でMAXに上り詰めようとしていたテンションがみるみるダウン。 いや、私のテンションなどどうでもいいのです。長時間にわたる交通規制や騒音という大迷惑をかえりみず、純粋な気持ちでランナーに声援を送ろうと集まってくれた周辺住民の皆さん。 その善意に、まさに小便をひっかけて応えた一部の選手たちの罪の重さは計り知れません。
情熱を感じる運営、途切れない沿道の大声援、ボランティアの献身的な活躍。なにをとっても素晴らしい奈良マラソンだけに、一部の選手の犯罪行為はまことに残念です。 平気で立ちションする精神構造を持った人間にモラルを説いてもムダ。
「立ちション=即失格、永久追放」を実現した湘南国際マラソンのような強い態度が、今後はどの大会にも必要であると感じました。 明日は気を取り直して「vol.1 レース篇」をお届けします。