毎年いくつかの企業のカレンダー制作に携わっています。企業のカレンダーは販促ツールとしての役割が大きいため、前年の11月頃から顧客に配布し始めるケースがほとんど。逆算すると遅くとも夏頃に制作を開始し、10月末には印刷納品という流れになります。
例年であれば何も問題ないのですが、東京オリンピック・パラリンピックが1年延期になったことにより、2020年と同じような祝日の移動が生じます。
東京オリパラ開催にともなう祝日の移動について、じつは5月の時点で祝日移動法案が提出されていました。しかしあくまでも案の段階であり、正式決定ではありませんでした。国会はコロナ対応に追われ、正式決定はずるずると引き伸ばされて「秋の臨時国会」に持ち越されてしまったのです。
秋の臨時国会での正式決定を待っていたら納品に間に合いません。この時点でカレンダー制作者は二者択一を迫られたわけです。
つまり、「祝日移動法案が可決することを見越して五輪シフトで印刷」するか。あるいは「制作時点の正式な暦である従来の暦で印刷」するか。
で、大半の業者が選択したのは後者です。なぜなら、カレンダー制作(印刷)時点で五輪対応の暦はあくまでも「案」に過ぎずないからです。
「おそらく祝日移動法案は可決されるだろう」と内心は思っていても、正式決定でないことを採用するわけにはいきません。そこで、「※祝日法の改正などにより、祝日・休日、またその名称が変更になることがあります。(2020年8月末日現在)」という注釈を添えて対処しました。
ご自宅のカレンダーやお持ちの手帳をいちどチェックしてみてください。大半のものは“間違っている”はずです。正誤表を作成しましたので、ご参考にどうぞ〜