2009 長野マラソン vol.1【人気の理由】編。

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第11回 長野オリンピック記念長野マラソンを体験取材してきました。長野マラソンはランナーズ誌の人気ランキングで、例年トップの座を争う人気大会。3年連続3回目の参戦となった今回、走りながらその人気の秘密を探ってきました。

長野マラソンは年々参加希望者が増え続け、今年はついに数時間で募集が締め切られる事態となりました。ランニングブームたけなわとはいえ、これほどまで人気を集める大会は数えるほどしかありません。今後このような状況が続けば、東京のように「抽選」となってしまう可能性もあります。

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ただし東京マラソンと明らかに異なる点は、「長野マラソンの制限時間が5時間」であること。歩き通してもフィニッシュできる東京(制限7時間)と違い、最低限の準備が必要な長野マラソンは「誰でもOK」というわけにはいきません。大会規約の参加者義務にも「5時間以内で完走できる走力を持っていなければなりません」としっかり明記されています。

 

逆にいえば「確実に5時間以上かかる人はエントリーを自粛してください」ということ。これは一見ビギナーに対して冷たい印象を受けますが、これこそが逆に長野マラソンの人気の一因であると思います。

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「歩いてでも“完走”できるなら出てみようかな」という層をシャットアウトすることで、エリートランナーも出場する「スポーツ競技会」としての硬派な部分を保っているといえるのではないでしょうか。参加者に「仮装の自粛」を要請していることも、人によっては「お堅い」と感じるかもしれませんが、純粋な「競技会」としてのステイタスを高めている気がします。

 

かといってただ「走るだけ」の味気ない大会でもありません。受付会場での“マラソンEXPO”や各種ラン講習会の開催、フィニッシュ地点で行われる「マラソンタウン」など、ビフォー&アフターランの楽しみも充実しています。

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沿道の応援のにぎやかさも長野マラソンの大きな魅力。一部の区間を除き声援が途切れることがありません。地元にお住まい(?)の皆さんは応援そのものを楽しまれているような雰囲気で、走る側としても嬉しくなります。コース脇にシートを敷いて、お弁当をつまみながらランナーに声援を送る家族連れの姿は長野マラソン恒例の風景です。

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市中心部を走る「都市型マラソン」(前半)、美しい自然景観を愛でながら走る「郊外ラン」(中盤~後半)の両方が楽しめるのも長野マラソンの特長。市街地では観光客も含めた沿道からの大声援を受けることができ、郊外では信州ならではの豊かな自然美を満喫できます。

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国際女子マラソン(横浜・大阪・名古屋)および福岡、びわこ、東京とならぶ「日本陸連主催7大会」の一つとして、今後も硬派な競技性をベースに、住民の皆さんも楽しめるイベント性の追求も視野に入れながらますます発展していってほしいと願うばかりです。