グアムマラソン2017 vol.1<非日常感と包容力>篇。

guamu01.JPG日本の6都市からおよそ3時間半でアクセスできるビーチリゾート、グアム。そんな常夏の楽園を舞台に開催された「グアムマラソン2017」を実走取材してきました。レポ1回目の本日は、グアムマラソンとはどのような大会か、その魅力と概要をお伝えしたいと思います。

グアムマラソン(グアムスポーツイベント Inc.主催)は今年で5回目を迎える、IAAF(国際陸上競技連盟)認定大会。フル、ハーフのほか、10km、5kmの4種目で構成されています。 2015年から高橋尚子さんが大会アンバサダーに就任。日本事務局のサポートも手厚く、国内大会に出場するのとなんら変わらない気軽さでエントリーできます。

700026207MR103_United_Guam_.JPG Copyright:Matt Roberts/Getty Images for GUAM VISITORS BUREAU

 

大会概要などが事前に郵送されるほか、受付時にもらえる分厚い大会パンフレットも完全日本語対応。当日までのプロセスやレギュレーションなど、大会に関する情報はすべて日本語で把握できます。評判が広まり年々参加者を増やし、今年はエントリーベースで4,335名、そのうち1,212名が日本人とのこと。

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グアムマラソンの特徴といえば、なんといってもスタート時間の早さです(フルマラソン午前3時、ハーフ午前4時)。ハーフの場合、2時間前後で走る人なら早朝6時には終了してしまいます。

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ひとレース終えたのにまだ朝の6時というのは、じつに不思議な感覚でした。この非日常感こそがグアムマラソン最大の魅力です。レースを終え、ホテルに戻ってひと休みしても、丸々1日観光に充てられるためなんだかトクした気分になります。

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ラソン大会ではよく「おもてなし」という言葉が大会の良さを図る尺度として登場しますが、グアムマラソンに参加して浮かんだのが「包容力」というキーワードでした。 マラソン大会そのもの、そして世界中から訪れるランナーをグアム島全体がとてもナチュラルな形で受け入れてくれているように感じたのです。それは国内のマラソン大会で感じる「おもてなし」とは少し異なり、もともと備わっている気質といえるかもしれません。

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たとえば些細な事ですが、コース上の交差点ではところどころ足止めされている車両の列(場所によっては長蛇の車列)ができていましたが、クラクションの音はまったく聞こえてきませんでした。

 

ふだんスイスイ走れる早朝に長時間止められたら、中には立腹する人がいてもおかしくありません。しかしボランティアに文句を言っている人やクラクションを鳴らす人は、私が気づいた範囲ではゼロ。 そして深夜から朝まで続く爆音と熱心な沿道の応援も、ある意味グアムの“包容力”を示しているといえるかもしれません。

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ノリノリの音楽とDJのおしゃべりがこだまするスタート会場のほか、コース上でもいたるところで応援の人たちが大盛り上がり。

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極めつけはTamunin Fire Stationの皆さん。消防車のライトを点け、屈強なファイアマンたちが音楽を大音量で流しながらランナーを応援してくれました。日本なら苦情が殺到するところですが、グアムの包容力の深さには恐れ入りました。

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観光業がメインの島ということで、ほとんどの住民の方がゲストを受け入れ慣れていることもあると思いますが、アメリカの準州だけにラソン文化の成熟度が高いのかもしれません。

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