秋の行楽シーズンは風評に左右されず冷静な判断を。
御嶽山噴火に伴なう多大な被害に、「他人事ではない」と心を痛めた方も多いことでしょう。付近のランニング関連イベントを含む秋の催しが軒並み中止となった一方、ほとんど影響がないエリアまで風評により客足が遠のいているようです。
御嶽山噴火の影響で中止になったのは、下呂市小坂町で12日に行う予定だった「飛騨小坂おんたけパノラマウォーキング&ジョギング」や「おんたけ湖ハーフマラソン」など。
じつはこのうち、濁河温泉がある小坂町は噴火の影響がほとんどなく(わずかに降灰した程度)、汚染物質濃度にも異常はないとのこと。
イベントを中止にしたことも誤解の一因になったのか、行楽シーズンの宿泊キャンセルが相次いでいるそうです。
とある旅館の女将は『35年前の噴火の時は宿泊客が戻るのに2、3年かかった』(読売新聞)と話して肩を落とすなど、影響が長期間に及ぶことを懸念。ホームページで懸命に「通常営業」をアピールする旅館も少なくありません。
ランニング合宿に人気の「飛騨おんたけ高地トレーニングエリア」も「当エリア内での活動には何の支障もなく、各施設は通常通り利用していただけます」というお知らせを掲載。噴火による風評は広範囲に及んでいるようです。
岐阜県では下呂市小坂町、下呂市萩原町、高山市高根町にそれぞれ二酸化硫黄と浮遊粒子状物質を測定する機器を設置し、逐一大気汚染濃度をチェック。データを見れば一目瞭然ですが、各エリアともまったく問題ないレベルであることがわかります。
長野県木曽町でも「開田高原そば祭り」と「木曽駒高原きのこまつり」が中止に。しかし、こちらもじつは噴火の影響はほとんどないとのこと。
木曽御岳開田高原/開田高原観光協会のfacebookページでは、「一部の報道で開田高原の誤った情報が発信されているようです。よろしければ風評被害防止のためシェア・拡散お願いします」と呼びかけています。
もちろん、安全であることはわかっていても心情的に「行く気になれない」という方もいらっしゃると思いますが、まずは風評に流されることなく正しい情報を集め、判断されることをおすすめします。
なお、地域に迷惑をかけるこんな行為は厳に慎みたいものです。