愛知県北設楽郡設楽町にそびえる標高882.6mの「鞍掛山」。ナゴヤエリアのトレイルランナーにはおなじみの宇連山と連なる山です。南西斜面には大規模な山崩れ跡を利用した千枚田が広がっており、季節ごとに表情をかえて訪れる人を楽しませてくれます。
鞍掛山の登山口としてポピュラーなのは「仏坂トンネル」手前のポイントですが(後述)、今回は四谷千枚田経由のルートを選択。四谷集落に入ると県道32号沿いに見学者用の駐車場があるので、そこにクルマを停めてトレラン開始。
いきなりの絶景が目の前に。まずはこの四谷千枚田の最上部まで上り、そのまま鞍掛山山頂をめざします(写真中央の山)。
四谷千枚田には遊歩道が整備されており、誰でも通行することが可能。ただ、なんとなく走るのがはばかられましたので、ウォームアップがわりに歩いて上ることにしました。
それにしてものどかな雰囲気。牧歌的な風景に、薄汚い心が洗われっぱなしでした。
ときおり振り返ると、かなり上ってきたことがわかります。
そしてついに千枚田最上部へ。下からの景観も見事でしたが、上から眺めてもまたすばらしい風景に感動。
東海自然歩道を示す道しるべに従って鞍掛山に入ります。登山道はしっかり整備されているうえ急登もなく、「走れるトレイル」という印象。
樹木脇から、ほぼ真下にのぞむ四谷千枚田。
十数分で「かしやげ峠」を通過し、杉林の植林地帯を抜けます。花粉の攻撃をモロにうけ、鼻水、クシャミが止まりませんでした。
誰もいない山中に私のクシャミの音だけが響き渡り、冬眠中のクマをちょっと早く起こしてしまったかもしれません。
滑り落ちそうなトラバース道もありましたが、おおむねロードと同じような感覚で走れるため、山頂まではあっという間。
山頂にはベンチとあずま屋があるだけで、とくに眺望は開けません。
このまま下山するのも物足りなかったので、仏坂峠方面へと脚を伸ばしてみることに。途中の小ピークから少しだけ眺望が開けていました。
こちらのルートは東海自然歩道から外れるため、かなりの悪路。ところどころ倒木があり、プチボルダリングを余儀なくされる急登も。
1時間以上かけてようやく仏坂峠に到達。ここは宇連山へのルートも通っている山の中の“交差点”で、すぐ近くには県道へ下りられる登山口(仏坂トンネル手前)もあります。
しかし、登山口へと続く木橋周辺が地すべりによって広範囲に崩壊しており、通行することはできません。当初の予定どおり少し休んでから元の道を引き返し、千枚田を下りて駐車場に戻りました。
念のためクルマで仏坂トンネル手前の登山口へ寄ってみると、立入禁止の貼り紙が。2014年春現在、仏坂からは入山できませんのでご注意ください。