2月25日に行われた「そうじゃ吉備路マラソン2024」を実走取材してきました。コロナ禍による中止や縮小を経て、5年ぶりにようやくフルスペックでの開催です。
開催地の岡山県総社市は、かつて備中国の中心地で国府が置かれていました。今でこそ隣接する倉敷市に知名度という点では水をあけられていますが、「総社」という風格を感じる名前からもわかるとおり由緒あるまちなのです。
そうじゃ吉備路マラソンといえば、新型コロナが蔓延しはじめた2020年2月を思い出します。ギリギリまで開催の道を探り結局中止になった過程で、自身も市民ランナーである片山市長の心から悔しげな会見が印象に残りました。
この大会の存在を知ったのはそのとき。開催断念を告げる無念な表情の市長の様子を見て逆に大会にかける情熱を感じ、いつか出てみたいと思ったのです。
さて、冒頭の「フルスペック」とは、競技種目が全て揃いコロナ前の平常時に戻ったということ。
そうじゃ吉備路マラソンでは「フル」「ハーフ」「10km」「5km」「3km」の5競技に加え、1.5kmと800mのファンラン種目、計7種目が揃います。
とくに競技の部で5種目も揃う大会は、とても珍しいのではないでしょうか。運営もさぞ大変だろうなと余計なことを考えてしまいます。
私は観光もゆっくり満喫したかったので10kmに参戦。もちろん初参加で、総社市はもとより岡山県のマラソン大会自体、初めての出場です。
フルも含めて全種目が当日受付可能というのも、近隣市町のランナーが参戦しやすい一因ではないでしょうか(前日受付も可能です)。
エントリーベースで参加者は12,015人。そのうち岡山県の参加者が10,458人と、圧倒的に地元ランナーが多数。他県からは1,557人で、うち愛知県は32人。そのうちの1人が私ということに。
地元密着ほのぼの系大会がそのまま規模を大きくした感じで、都市型フルにありがちないわゆる東京マラソンのミニコピー感(システマティックでソツはないけどなんだか事務的?)はなし。
手作り感あふれて雰囲気が心地よく、いびがわマラソンになんとなく似ており私好みの大会でした。手作りといっても一定のランナーサービスはしっかり押さえてあり、不便は感じませんでした。
大会Webサイトに手荷物を「各自で保管」(つまり置きっぱ)と記載されていたのが懸念材料でしたが、会場にはしっかり荷物預かりテントが用意され、タグをつけて管理するスタイルだったので安心しました。
当日、スタート前は小雨が降っていましたが、広いアリーナや武道館が開放されていたため快適に過ごせました。
次回は後篇(レース篇)をお届けします。