旅ラン日本 vol.56【関門突破!福岡県から山口県まで走る】

楽しみにしていた「門司港レトロマラソン」が中止に。そのやり場のない虚しさを晴らすべく、レースもないのに門司港へ。開き直って福岡旅ランを楽しんできました。その第一弾「福岡県から山口県まで走る!」の巻です。

タイトルを見て、察しのいい人なら「あれのことか」とピンときたと思います。そう、関門海峡を歩いて渡れる海底トンネル「関門トンネル人道」を走ってきました。

スタートは北九州市の門司港駅。大正3年に建てられた駅舎は国の重要文化財。列車から高倉健さんが降りてきても不思議ではない、映画に出てきそうな趣き深い雰囲気でした。

周辺には歴史的な建築物が建ち並び、門司港レトロと呼ばれる一帯がメインの観光スポットです。飛び交う外国語に「コロナ明け」を実感。

門司港駅から関門トンネル人道の入口までは2.4km。観光列車「門司港レトロ観光線」沿いに整備された遊歩道を走ります。

歩を進めるごとにどんどん大きくなり、目の前に迫ってくる関門橋。

やがて真上に見上げる地点に到達。迫力の景色です。

関門橋を通り過ぎたあたりに関門トンネル人道の入口があります。

まずはエレベータで地下60m地点へ。ちなみにトンネル人道の通行は無料(自転車は20円)で、6時〜22時まで通行できます。

ここが人道のスタート地点。国道2号線でもあります。当日は地元の方っぽいランナーも何人か走っていました。

トンネルの全長は780mと、意外に短くあっという間に中間地点へ。ついに福岡と山口の県境をまたぎます。海の下で福岡県から山口県へ・・・県境を超えたからといって何かが起こるわけでもないのに、なぜか感慨深いものがありました。

人道はフラットではなくすり鉢状になっており、後半はやや上り。ほどよい負荷にじんわりと汗が。

ゆっくり走って7〜8分ほどでしょうか、ついに山口県(下関)到達。こちらも福岡(門司)側とほぼ同じ作り。エレベータで地上に上がります。

すぐ目の前に広がるのは壇ノ浦。平家が滅亡した「壇ノ浦の戦い」の舞台です。

幕末に長州藩が外国船を砲撃した際に使用された長州砲(八十斤加農砲)のレプリカも展示されていました。

対岸にはついさっきまでいた門司港の風景が広がります。

歴史ロマンに触れた後は、壇ノ浦から海沿いに1.5kmほど離れた「唐戸市場」へ。

すでに午後遅かったため市場自体は閉まりかけていましたが、多くの観光客で賑わっていました。ここも聞こえてくるのは外国語ばかり。

帰りはプラン通り船(関門連絡船)で福岡(門司港)へ戻ります。下関唐戸1号桟橋からの定期船は片道400円。乗船時間は約5分と、あっという間の船旅です。

再び福岡県(門司港)上陸。陽が傾き夕暮れが迫っています。

関門トンネル人道を走破するのが今回の目的なので詳細は省きますが、この後も九州鉄道記念館や門司の町並みを散策ランしました。

関門トンネル人道自体は780mと短いですが、門司側・下関側の双方に見どころ満載のため、一日中旅ランを楽しめると思います。