今年も笹川スポーツ財団から「ジョギング・ランニング実施率の推移」の調査結果が発表されました。この結果をもって「日本のランナー人口」とするメディアが散見されますが、毎年違和感を覚えます。
同調査(2022年)によると、「20歳以上の(中略)ジョギング・ランニング推計人口は2020年の1,055万人から877万人という結果」になったとのこと。
2020年の結果を受けて2021年には「ランナー人口が1千万人を超えた!」とセンセーショナルに書き立てるメディアが多数みられました。今年も「ランナー人口877万人」というタイトルが踊ると予想します。
しかし、毎年違和感を覚えるのは、この1千万や877万という数字、よくみるとわかりますが「年に1回以上ジョギング・ランニングを実施した人」の数です。
「年に1回」かそこら走っただけの人を、けっして「ランナー(継続的に走る習慣を持つ人)」とは呼ばないでしょう。
笹川スポーツ財団の名誉のために触れておきますが、財団も「ランナー人口」とはひとことも言っていません。
あくまでも「ジョギング・ランニング実施率(年1回以上)」という表現にとどまっており、この資料をもとに記事を書くメディアが「ランナー人口1千万人!」などと都合のいいように取り上げているだけなのです。
同調査結果にはちゃんと「週1回実施率」も載っており、それによるとジョギング・ランニング実施率は5.4%で、推計人口は557万人となっています。
週に1回ランニングしているなら立派なランナー。つまり、「日本のランナー人口は?」と問われたら「557万人」と答えたほうがより実情を反映しているというわけです。
もしネットなどで「2022年のランナー人口は877万人」という記事のタイトルを見かけたら、それは間違い、とまでは言わないまでも実情と大きくかけ離れていることだけは覚えておいたほうがいいでしょう。
いずれにしても日本のランナー人口が減っていることだけは確かなようです。