Google Mapsなどのウェブマップが登場する以前の距離の測り方。

デスクの引出しの奥から懐かしいものが出てきました。時計ではありません。なんだかわかりますか?ヒントは「地図」です。

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実はこれ、地図上で距離を測る道具でキルビメータといいます(マップメータマップメジャーとも)。

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今でこそGoogle Mapsやキョリ測などでいともカンタンに距離を計測できますが、インターネットが普及する以前は紙の地図を利用して距離を測っていたのです。

使い方は、先端についた小さな車輪を地図上の道に沿ってコロコロ転がすだけ。縮尺率から計算して距離を弾き出します。

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以前、不動産関連の仕事をしていたとき、物件から駅など主要施設までの距離を一つひとつ手作業でコロコロ計測していました。

たまに手元がズルっと滑ってしまうことが多々あり、何度もやり直した記憶があります。

現在の地図の定番といえばGoogle Mapsですが、当時はアルプス社(後にYahoo Japan)の「アトラスRD」でした。誰もが必ずクルマに常備していたものです。

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アトラスRDでは縮尺が大きすぎる場所は、ゼンリンの住宅地図の出番。こちらも現在はネット上からエリアごとにプリントアウトできますが、当時は書店に買いに行っていました。

現在はネットの地図が便利すぎるためキルビメータを使う機会はまったくありません。しかし、調べてみるとまだ普通に売っているんですね。

ちなみに工事現場や陸上競技などで距離を計測するときは、このキルビメータの巨大版ともえるウォーキングメジャー(ロードレースの場合は自転車)を使います。



地図上で計測すると起伏のぶんだけ誤差が出てしまうため、実際の道で地道に測るしかありません。

ちなみに引き出しの奥から出てきたキルビメータ、柄の部分が取り外せるようになっています。なんのためなのかは謎です。どなたかご存知の方、教えてください。

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