市民ランナーの約4割が走歴1〜3年未満。1年未満と合わせると、じつに60%近くのランナーが最近になって走り始めた、いわゆる「ビギナーランナー(走力という意味ではない)」であることがわかりました。
関東・関西のランナー対象に「ランニングに関する調査(有効回答数423)」を行ったのは、マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティング。
エリア限定かつサンプル数は少ないものの、市民ランナーの半数以上が走り始めて3年未満、つまり「ランニングブーム(とりわけ商業的な意味で)を支えているのは走歴が比較的短い人たち」であるという状況が垣間見えてきました。
この結果をみて、私は現在のランニングムーブメントに少しだけ不安を感じざるを得ません。というのも、ブームを牽引する6割にのぼる方々のうち、果たしてどれだけの人が数年後も走り続けているか予想がつかないからです。
バブルで終わるのか、欧米のように高次元で文化として定着するのか。答えは5年後、10年後を待たなければなりません。
さて、今回の調査では、ランナーのうちマラソン大会への出場経験があるのは「わずか3割」ということも判明しました。個人的には、せっかくランニング習慣があるにもかかわらずレースに出ないなんて、味噌をかけない味噌カツ、肉抜きの牛丼ぐらい物足りないし、もったいないことのように思えます。
約8割のランナーが専門的なレクチャーを受けたことがないというのも意外でした。各地でランニング教室的なイベントが増えてきているなか、専門家からのアドバイスを受けたことがあるランナーが1割しかいないというのは本当なんでしょうか。
つぎに「ランニングの挫折経験」について。ランニングは、何かのきっかけで突然走り始め、何かのきっかけでフェードアウトしていく。そんなパターンが多いのではないでしょうか。
では、ランから遠のいていくきっかけとは? もっとも多かったのが「暑さ」「寒さ」。これは納得です。ビギナーランナーにとって、この壁を乗り越えるには代替となるモチベーションが必要でしょう。
その他の回答は「仕事や家事が忙しかったから」「体力的にきつかった」「ケガをした」「つまらなかった」など。 「購入経験のあるブランド(シューズ、ウェア/複数回答)」では、Nike、adidas、アシックス、ミズノという結果に。ただし走歴が長くなるにつれて、とくにシューズにおいてアシックス支持者が増えていくという現象もありました。