自分の体を知れば、ランはもっと楽しくなる!

runsemi_kougi.jpg

以前トピックで取り上げた講義中心のランニング講座「マラソン・ランニング セミナー in 名古屋」第1回に参加してきました。

この日のテーマは「ランニング・マラソンのための体力測定・評価と姿勢分析」。会場となったヒューマンアカデミーの教室には、女性を中心に多くの参加者が集まりました。 講師はパーソナルトレーナーの浅見誠さん(マタドール・トレーナーズ代表)。まずは講義内容と姿勢分析の概要説明が行われたあと、机をスミにどかして実技へと移りました。 

runsemi_hyoushi.jpg

runsemi_02.jpg

はじめに自分のカラダがどのような状態なのかチェックします。2人一組になって、左右の脚の長さを計測したり、ひざと股関節のねじれ具合、さらにはハムストリングスや足首の柔軟性などを順次調べていきました。

jitsugi_02.jpg

私の場合、左右の脚の長さが数ミリ異なっていることが判明。このズレはふだんの生活では支障ないものの、長距離を走る際は疲労や、ときには故障となってあらわれる可能性があるのだとか。

浅見講師いわく、「どこかがズレたまま同じ動作を繰り返すマラソンは、究極のアンバランススポーツ」であるとのこと。なるほど。だからこそアンバランスな部分をできる限り改善する、つまり「正しい姿勢」を意識することが大切というわけですね。

このあたりはあのe3gripの考え方と一致します。 他にも静的・動的含めてさまざまな姿勢や動きから自身のアライメント(骨の配列)をチェック。私は以前からハムストリングスとふくらはぎがカタい(弱い)と指摘されていたのですが、今回新たに足首が異常にカチカチであることが発覚してしまいました。

jitsugi_01.jpg

ここで一つだけ読者の皆さんのためにセルフチェックをお教えします。まず床に仰向けに寝ころび、腕を伸ばしてバンザイの姿勢をとってみてください。このとき、肘が外側に開く(曲がる)方は「広背筋がカタい」。腕が床につかない方は「大胸筋がカタい」。肩が上がってしまう方は「小胸筋がカタい」・・・というおおよその推測ができるそうです。

興味をひいたのが「VO2max」のはかり方。VO2maxとは「最大酸素摂取量」のことで、市民ランナーなら一度は目や耳にしたことがあるのでは?このVO2max、かなり正確に自分のレースタイムが割り出せる魔法の数値として重宝されています。

たとえば、VO2maxから割り出したフルマラソンのタイムが4時間にもかかわらず4時間半かかる人は、姿勢が悪いとか跳ねて走っているとか、ランニングエコノミーを妨げる要因をどこかに抱えているということに他なりません。

では、「VO2max自体は伸ばせるのか?」という疑問がわいてきます。浅見さんによると「30%までは伸びる」という研究結果が出ているそうです。これに、ランニングエコノミーを高める様々な努力を補うことによってさらなるタイム短縮が可能とのこと。

厳密にVO2maxを計測しようとすれば専門機関のラボテストを受けるしかないのですが、誰でも気軽に割り出せる方法があります。これも講義で教えていただきました。方法は一つではなくいろいろありますが、ランナーにおすすめなのは「2.4km走」。2.4kmを全力で走り、そのタイムを次の数式に放り込むと割り出せます。

VO2max=88.02-(0.1656×体重)-(2.76×タイム)+(3.716×性別[男性1、女性0])・・・うーん、算数苦手なのでじんましん出そう・・・VO2maxがわかれば、現時点で自分が出せるベストタイムが予想できますからぜひお試しください。

さて、本当はもっと中身が濃くて面白いセミナーでしたが、なかなかすべては紹介しきれません。ぜひ皆さんご自身で体験してみてください。次回は9月26日開催の「ランニング・マラソンのための筋力トレーニング」です。

筋トレといってもバーベル持ち上げたりとかそういう類のものではなく、「コンディショニングトレーニング」ともいうべき、ランナーに特化した内容だそうです。 今後も「スポーツ生理学」「スポーツ栄養学」「ケガの予防・対策・処置法」など興味深い講義がめじろおし。参加してみたい!という方は、マタドール・トレーナーズHP左下のバナーからどうぞ。1回だけでも参加OKだそうです。