2010「やぶはら高原ハーフマラソン大会」。

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第24回「やぶはら高原ハーフマラソン大会」を実走取材してきました。

大会前日は松本に宿泊してゆったり観光。そのついでに高原のレースを爽やかに楽しもう・・・という軽い気持ちでのぞんだところ、嘔吐しそうなハードコース&30℃超えの暑さにあえなく撃沈してしまいました。 

 

やぶはら高原ハーフマラソンが行われたのは、長野県木祖村という木曽川源流の村。会場の「こだまの森」にはラングッズショップや屋台などが建ち並び、にぎやかな雰囲気でした。

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種目はハーフ・10km・5km。いずれも陸連公認コース。定員は全種目あわせて2,000名と少なめに抑えられていますから、会場やコース上での混雑は一切なく、ビフォー&アフターレースをとても快適に過ごすことができました。

 

さて、レースです。号砲は9時ジャスト。ハーフと10kmの部が同時スタートです。会場からロードへ出るといきなりの上り。途端に心拍が急上昇し、「オエッ」と吐きそうに。かと思ったら激下り。ここぞとばかりにキロ3分台半ばでかっとばしました。

 

そして再び上り。しかも今度は長い!何度も「オエッオエェェ」となりながら、なんとか脚を前に出します。まわりの選手もみんな苦しそう。「歩きたい・・・」。何度この誘惑にかられたかわかりませんが、まだ序盤の序盤。ぜったいに歩くわけにはいきません。

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ここがトレイルレースと異なる点で、トレイル(またはウルトラ)だと「歩き」は立派な戦術であり、むしろ無理して走るなんてエネルギーのムダ(一部の上級者除く)。つまり上りで歩いていても違和感がない、「歩きが許容される」のがトレイルレースなのです。 ところがロードレースの場合そうはいきません。

 

たとえ勾配がきつくてもロードはロード。基本、「走り続けなければいけない」暗黙の掟があるのです。ですからトレイルレースで前方に急な上り坂があると、「ああ、これでレストできる(歩ける)」と妙にホッとしたりします。 まあ、ロードレースだって歩いたところで誰にとがめられるわけでもありませんが、ランナーは本能的に「走り続けなければ!」という強い信念に突き動かされながら走っているものです。

 

少なくとも私はそうです。 そんなこんなで、折れそうな心をかろうじて支えつつアップダウンを繰り返していると、やがて美しい「奥木曽湖」がみえてきました。景色を楽しむ余裕がありませんでしたので、やみくもにデジカメのシャッターを押しながら走りました。

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湖畔の道路は、とにかく「上る下る上る下る(基本は上り基調)」の繰り返し。フラットな局面はほとんどなかったのではないでしょうか。照りつける陽ざしも尋常じゃぁありません。スタート前に主催者の方が「レース中は30℃を超える可能性がある」とアナウンスされていましたが、おそらく超えていたでしょう。 コース中、唯一フラットだったのがこのキャベツ畑の周回。

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のどかな景色に一瞬こころがゆるみます。この時点で残り5kmぐらいだったと思いますが、本来のハーフのリズムで走れていましたので脚はじゅうぶん残っていたと思われます。 キャベツ畑からは、一気にコース最低地点の西山大橋まで駆け下ります。残りあと3kmほど。もう脚をセーブする必要はありません。

 

重力にまかせてバンバン飛ばしました。 西山大橋からフィニッシュまでの2kmが、このレース最大にして最後の地獄(人によっては天国)でした。そう、スタート後すぐにキロ3分台で駆け下りた激下りを、こんどは上り返すのです。

 

これがまたキツかった!この区間はおそらくキロ8分前後かかったと思います。「歩いたらこのレースは負け」と自分に言い聞かせながら走っているつもりでしたが、端からはトボトボ歩いているように見えたことでしょう。

 

やがて最後の坂を上りきったところから会場が見えました。キツイといってもハーフマラソンですから脚はまだ残っています。そこで意味もなくラストスパートを敢行し、余裕の表情を装ってフィニッシュラインを超えました。 タイムは案の定ワースト記録更新でしたが、順位的にはなかなか好位置につけていました。やはり全体的にタイムが遅めだったようです。あたりまえです。あの厳しいコース&暑さなんですから。

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レース後、荷物をピックアップして着替え、まっさきに売店へと向かいました。目的はビール・・・ではなくこれ。ソフトクリームで乾いたカラダを潤しました。

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なんだかコースのキツさばかり強調してしまいましたが、大会自体はたいへん素晴らしいものでした。有名ゲストを呼んだりなど華やかな演出はないものの、運営にソツがなく要所要所を押さえているという感じ。

 

村をあげて迎えてくれる、あたたかなホスピタリティも好感が持てました。 体感的には、アップダウンがあるといわれているいびがわの5倍、かもしかの3倍、三河高原トレイルの2倍、かっとび伊吹の1.0倍厳しいコースという実感(暑さ含む)。

 

ハーフレースぐらいではあまり筋肉痛にならないのですが、翌日はハムストリングスと大腿四頭筋の両方が激しく痛みました。ハムストリングスはともかく、ロードレースで大腿四頭筋が痛くなることはめったにありません。それだけ起伏が激しい、まさに「アスファルトの皮をかぶった山岳マラソン」といったところでしょうか(うまいこといえたっ)。

 

<大会講評>

前日受け付け・前夜祭あり。前日・当日ともに藪原駅と会場を結ぶシャトルバス運行。名古屋発着特急しなのが藪原駅に臨時停車(上下各1本)。参加賞はバスタオル、そば、薬。ラングッズショップあり。売店(食堂)あり。トイレは必要じゅうぶん。距離表示は1kmごと。エイドは充実しているが、スポーツドリンクは終盤の1ヵ所のみ。ゲストなし。荷物預かりあり。更衣テント(男女)あり。シャワー施設あり。抽選会あり。オールスポーツ参加。 明日は大会スナップ集をお届けします(予定)。お楽しみに!