「とくダネ!」の自転車特集にちょっと違和感。

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今朝の「とくダネ!」の「とく撮」コーナーは自転車がテーマでした。主旨は自転車ブームの陰で増える事故、その瞬間映像を分析するというもの。たしかに車道の逆走、歩道の暴走、夜間の無灯火、ケータイ片手運転など、無法な自転車がちまたにあふれています。そういった人たちへの啓発はどんどんやるべきなんですが、今回の内容は単なる「衝撃映像集」にとどまった感が否めませんでした。

以前、「めざましテレビ」(ココ調)でも2回シリーズで自転車を取り上げていましたが(1回目はスピード計測の不備で批判を浴びました)、バランスよくまとめようという努力が感じられ好印象を持ちました。

ところが、今回は「スポーツ自転車、スポーツタイプ」という言葉をたくみに織り交ぜ、「スピード=悪の元凶」という結論に導こうとしていたのが気になりました。事故映像に映っているのはほとんどがママチャリでしたので、余計に違和感があったのかもしれません。

もちろんスポーツ自転車乗りの中にだって無法な輩はいます。しかし、車道の逆走やイヤホン装着運転やケータイ片手運転や無灯火運転や傘さし運転は、「その大半がママチャリ」であることはちょっと町に出て観察してみれば分かることです。

まあ、たしかに冒頭の映像で、交通量の激しい3車線ぐらいの幹線道路を何台もの自転車(ほとんどはクロスバイク)が平然と(右車線へ)車線変更していくシーンには驚きました。名古屋ではあのような光景は見たことがありません。あんな自転車乗りがいるから、「だからスポーツ自転車は・・・」とつけこまれ、悪い印象が形成されてしまうのだと思います。

スポーツ自転車はスピードが出ますから、まともな感覚の人間なら細心の注意を払って運転するはずです。というか、自分が死にたくないので「一時不停止」とか「車道逆走」とか無謀な運転は恐くてできません。

「とくダネ」で流れた事故映像集も、結局はそのすべての原因が「スピード」ではなく「漫然運転(信号無視含む)」でした。しかしこのコーナーをなんとなく見ていただけの人は、冒頭の映像の印象とともに「スピード(スポーツ自転車)=自転車事故の元凶」であるとすり込まれてしまったのではないでしょうか。

コーナーの最後に芸能レポーターが「自転車は乗らない方がいい(自分は乗らないというニュアンス?)」という発言をしました。この不見識なひと言こそ、今回の自転車特集の“掘り下げ不足”をいろんな意味で表していると感じました。