ランニングすればするほど病弱になる!?

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「ランナーは風邪をひきやすい」という話を聞いたことはありませんか?たしかに私も思い当たるフシがあります。

というのも、フルマラソンレースや3時間以上のLSDを行った後など、8割ぐらいの確率で風邪の初期症状、私の場合はおもに頭痛や倦怠感が発生するからです。

健康のためのランニングなのに、これはいったいどういうことでしょうか。 ただしその頭痛などの症状は翌日まで続くことはめったになく、たいていは睡眠だけで治ってしまいます。

一方で、よくよく考えてみるとランニングを始めてから本格的な風邪をひかなくなったような気もします。つまり、「走るたびに風邪の初期症状が出るけれど、本格的な風邪はひかなくなった」というややこしい状態になっています。

いったい体が強くなったのか弱くなったのか。「Jog Note」の人気連載「楽しく走ってステップアップ(鍋倉賢治 筑波大学准教授)」にその答えが書いてありました。

鍋倉准教授によると、『健康のための運動の効用は明らかで、生活習慣病の予防・改善、減量、体力の増進などがよく知られています。運動を始めてから風邪をひきにくくなった、というような自覚的効果の事例もよく聞きます』とのこと。

ところが、『一方、健康そのものであるはずの我々ランナーが、大切なレースを風邪のため棄権せざるをえなかったり、レース後にインフルエンザにかかったりという例も』また多いのだそうです。

では、なぜ健康増進や免疫力アップを促すはずのランニングが風邪(のよう症状)を誘発するのか。その答えも鍋倉准教授は明確に述べてくれています。

いわく、『適度な運動は抵抗力が増すけれども、運動が過度になると逆に抵抗力は低下し、運動しない状態よりもむしろ悪化する』といいます。『フルマラソンの直後に、抵抗力は著しく低下』するという測定結果も得られたのだとか。

つまりロング走やフルマラソンなど「過度な運動」を実施したあとは一時的に免疫力が低下し、ふだんなら軽く撃退できるはずのザコウイルスにカラダへの侵入を許してしまっている。そんな状況なのでしょうか。

ザコなだけに翌日まで生きながらえることはなく、自然に消滅する(すぐ治る)・・・なるほど! 平日に時間が取れない分、週末にドカ走りしてしまうことが多いのもウイルスにつけこまれる一因なのかも。

逆に、平日にもう少しずつ距離や時間を延ばせばより抵抗力が高まって、現時点でカラダが「過」度だと感じている運動を「適」度な運動にかえられるのかもしれません。

長々と書き連ねてしまいましたが、要は「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」というひと言で片付けられる問題のようです。