「日本のランナー人口1千万人」は誤り!?597万人~724万人と答えるのが実態に近い。

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市民ランナー人口・動向のエビデンスとして、多くのマスコミが引用する笹川スポーツ財団のスポーツライフ・データ。先ごろ最新版となる2020年「ジョギング・ランニング実施率の推移」が発表されました。

「ジョギング・ランニング実施率の推移」は笹川スポーツ財団が隔年で実施している調査で、ランナー人口やランナーの動向がわかる貴重な資料です。 調査概要によると、ランニング・ジョギングの推計実施人口は1,055万人と、前回の964万人から91万人増加。たまに「ランナー人口1千万人」と表現する人や記事を見かけますが、このデータを根拠にしています。

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ただし、この1,055万という数字はジョギング・ランニングを「に1回以上」実施する人の数。つまり、年にわずか1回だけ近所を少し走ってみた人も含まれるわけです。 日常的にランニング習慣を持つ、いわゆる市民ランナーの数に入れるのはかなり違和感がありますので、「日本のランナー人口は1千万人」とする記事を見かけたら、ランニングをよく知らない人が書いている眉唾記事と心得たほうがよさそう。

では、「週に1回以上」走っている人はというと、推計597万人(前回より29万人増)。さらに「月2回以上」だと724万人(同60万人増)となります。 「日本の市民ランナーの数は?」と聞かれたら、597万人~724万人と答えるのがより実態に近いかもしれません(笹川スポーツ財団のスポーツライフ・データを根拠とするなら)。

ちなみにランナー人口のピークは2012年でしたが、昨年はそれを上回りました。新型コロナ禍で、走るぐらいしかスポーツの選択肢がなかったことも影響していると思われます。

笹川スポーツ財団スポーツライフ・データ「ジョギング・ランニング実施率の推移」