現地取材!MGC観戦レポ②<女子>篇。

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東京オリンピックのマラソン日本代表を決めるMGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ)観戦レポ、2回目となる本日は女子篇をお届けします。ただでさえ少ない参加者のうち実力者2名が欠場し、わずか10名でのある意味ぜいたくなレースとなりました。 

第1観戦ポイントは男子と同じく12km地点付近。男子が通過してから20分ほど経った頃、中継車らしき車両が近づいてきました。

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先導の白バイに続いて現れたのは前田選手。集団というよりきれいな一列で6名の選手が通過していきました。

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トップ集団の中には前田選手、小原選手、鈴木選手、松田選手、福士選手といった優勝候補が揃っていました。本命の2人は集団の後方待機。

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トップグループにやや遅れて岩出選手、そして最後に野上選手が通過。野上選手はこの後追い上げ5位でフィニッシュ。ベテランの意地を見せてくれました。

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選手全員を見送り、急いで41km地点手前へと向かいます。観戦ポイントの状況は昨日の男子篇でお伝えしたとおり、最前列にスペースを確保できました。

 

男子トップ3人の激しい凌ぎ合いを目の当たりにし、女子の走りにも期待が膨らみます。 興奮冷めやらぬなか、女子のトップが近づいてきました。天満屋の前田選手が後続を引き離し独走状態に。

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あと1kmの地点で2位に大差をつけていることから、前田選手の優勝は間違いないと確信。こうなると2枚目の五輪切符の行方に注目が集まります。

 

前田選手が通過して3分ほど経過してやっと2位の日本郵政・鈴木選手の姿が。口角が上がり笑っているように見えるのは、かなり苦しいときのサイン。泣いても笑ってもラスト1km、全力で走り切るしかありません。

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鈴木選手の約30秒後に前田選手の同僚、小原選手が通過。鈴木選手より小原選手のほうが力を残しているように見えました。

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実際、ラスト1kmで驚異の追い上げを見せ、2位の鈴木選手に4秒差まで迫っての3位。1秒に泣いた前回のオリンピック選考の悔しさが背中を押したのでしょうか。

 

さて、レース前に本命視させていた松田選手は4位で41kmを通過。結果はそのまま4位に終わり、ファイナルチャレンジで3枚目の五輪切符獲得をめざすことになりました。

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その後、野上、一山、福士、安藤の各選手が通過。福士選手、5度目のオリンピック出場はおあずけとなりました。

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安藤選手は疲れてくると腕が上がってきます。ここまで上がるのはかなり消耗している証でしょうか。

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そして最終ランナーはプロランナーの岩出選手。トップに15分ほど遅れてのゴールでしたが、最後まで立派に走りきりました。

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ラスト1枠を決めるファイナルチャレンジは、今回は五輪代表を逃した松田選手と日本郵政の関根選手、この2人に加えてアドバンテージを有する小原選手の3人が軸になりそう。

 

個人的には関根選手にがんばってほしいですが、沿道で実際に選手たちの激闘を目の当たりにするにつけ、「全員オリンピックに出てほしい」というのが偽らざる心境です。

IMG_3778.JPG 五輪代表を決める一発勝負のMGC。これほどまでに白熱するレースがかつてあったでしょうか。今後もぜひ続けていただきたいと思います。