参加賞のTシャツが好みに合わなくても言葉に出さないほうがいい理由。

ラソン大会はその特性上、開催地域の皆様の協力があってこそ成り立つもの。最低限のマナーと感謝を心に留めながら楽しみたいものです。別の言い方をすれば、ランナー側から開催地の方々に対する「気づかい」を忘れないということ。この件に関して最近、ちょっと気になるエピソードを聞きましたのでご紹介します。 tshirt.jpgラソン大会の参加賞といえばTシャツやバスタオルが定番ですが、不用意にそのデザインを「ダサい」などと貶して(けなして)いないでしょうか。 ある方から聞いた話・・・とある地方の10kmレースで、受付時にもらったTシャツを広げるなり、「ダサいな〜」と大きな声を出しながら笑い合うグループがあったそうです。 このとき、ランナーグループのすぐ後ろに、Tシャツのデザイン(原案)を考えた当の本人である女子中学生が立っていました。 自分のデザイン原案が採用され、開会式で表彰される直前の出来事でした。女の子は気丈にもショックを受けたそぶりを表に出さず、立派に表彰式にのぞんだということです。 一緒にいた親御さんはランナーのグループに文句をいうわけにもいきません。気にしないそぶりを見せる娘にも、どう声をかけていいのかわからなかったとのこと。「娘はとても喜んでいたのに、どうしてあんな大声でひどいことを言うのか」と、目に涙をためながら話していたそうです。 おそらくランナーの皆さんに悪気はなく、仲間内の軽口として言葉にしたに過ぎません。しかしタイミングがじつに悪かった・・・。とくに地方の大会では、参加賞のTシャツやタオルのデザイン原案を地元の子どもたちなどから公募するケースが非常に多いもの。 Tシャツのデザインが自分の好みと合わないと感じても、少なくともオープンな場ではマナーとして発言を慎むべきだと気付かされました。 そもそもデザインの良し悪しなんて、個人の感性や好みによって大きく変わります。なんの思慮もなしに平気で「ダサい」と言ってしまう人間のほうが「ダサい」のではないでしょうか。自戒を込めて。