歩行者の立場で皇居外周を歩いたら・・・。
久々に皇居外周を走って・・・いや、歩いてきました。今回は、歩行者から見たランナーとはどのような存在なのか身をもって体験するため、観光気分でゆっくり1周歩いてみました。その結果わかったことは・・・
皇居外周におけるランナーと歩行者との軋轢。たびたびメディアに取り上げられるほか、千代田区観光協会も皇居ランナーに対するマナーを看板やWebなどで呼びかけています。
しかし歩行者の立場で実際に1周歩いてみたところ、ランナーとしてまことに残念ではありますが、歩行者は私たちランナーの想像もつかないほど不愉快な思いをしている可能性が極めて高いことがわかりました。
●歩行者として気になったこと1[迫り来る音]
まずいちばん気になったのが、後ろから迫り来る「タッタッタ」というシューズの靴音です。「恐怖」とまではいいませんが、後ろから何者かが走って近づいてくるというのは、本能的に得も言われぬ圧力を感じてしまいます。
そに加えて「ハアッハアッ」とか「ハッハッ」とか、大きな呼吸音を発しながら至近距離を通り過ぎられるのも非常に不快でした。
●歩行者として気になったこと2[追い抜き際の距離]
おそらくほとんどの良識あるランナーは、歩行者を追い抜く際、ある程度の間隔をあけているつもりだと思います。しかし実際に歩行者として歩いてみると、その距離感は大きくズレていることがわかりました。
皇居外周を1周歩く間に数十人のランナーに追い抜かれましたが、「かなり至近距離をすり抜けていく」という印象。千代田区観光協会が呼びかける「追い抜き・追い越しの際の声かけ」を実行するランナーは1人もいませんでした。
とくに危険を感じたのが、減速することなく複数の歩行者の間をジグザグにすり抜けて行くランナー。観察しているとそのようなランナーは、走りに没頭して周りが見えなくなっているようです。
ペースを乱したくない気持ちは同じランナーとしてじゅうぶん理解できますが、一般の歩行者にとっては、そんなランナーの思いや情熱などまったく関係のない話です。
●歩行者として気になったこと3[風と汗]
ランニングしているときはまったく気にならなかったのに、歩いてみて初めてわかったことがあります。それは「風と汗」。どういうことかというと、ランナーが歩行者のすぐ脇を追い抜く際、必ず風が巻きます。
一瞬、過ぎ去っていくランナーの体臭に包み込まれることになり、これがおっさんだったりすると余計に不愉快。若い女の子なら大歓迎・・・という話ではなく、走るスピードが速いほど風も強くなります。
つぎに「汗」。冬でも薄着で走っているランナーが多く、そのような人に限って気合が入っているらしく汗ダッラダラ。追い抜かれるときに汗の飛沫が顔について、気持ち悪いことこの上ありませんでした。ましてや汗だくランナーが大量発生する夏の皇居外周は、一般の歩行者や観光客にとって地獄なのかもしれません。
走っているときは汗だくのランナーに追い抜かれてもまったく気にならなかったのに、ほんと不思議なものです。
●歩行者として気になったこと4[まとめ]
今回、歩行者目線で皇居外周を歩いて確信したのは、ランナーは想像以上に歩行者に対してストレス、恐怖、圧迫感、不快感を与えている、ということ。ランナーの気持ちがわかる私ですら、次から次へと迫り来るランナーストレスで精神的にかなり疲れました。
ランナーは、立場が違えば感じ方や距離感もまったく異なるということを今いちど肝に銘じなければならないでしょう。
これは何も皇居だけに限ったことではなく、名古屋でいえば名城公園や庄内緑地など、ランナーが集まる場所では過剰なほどに歩行者や一般来園者に対して気を使う必要があります。
歩行者にとってランナーという存在は「邪魔」「恐怖」「うざい」「臭い」「うるさい」だけのものだということを自覚し、歩道・公園・山では「走らせていただく」という謙虚な気持ちをつねに忘れないようにしたいものです。
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