さらに高まるマラソン&駅伝中継の“価値”。

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TVコンテンツとして、もともと安定した人気を誇るマラソン&駅伝中継。昨今のランニングブームで観るだけでなく実際に走る人が増えたことにより、視聴者の観戦方法にも変化が生じているような気がします。 

従来のマラソン観戦といえば、画面の中でもがいている選手に感動して「がんばれ~」と応援する、つまりある種の「ドラマ」として楽しんでいる人が多かったように思います。ところが今は、トップアスリートのフォームや仕掛けのタイミングに注目するなど、純粋に「スポーツ」として観戦する人が増えているのではないでしょうか。

ラソンに限らず、野球にしろサッカーにしろテニスにしろ自分がたしなんでいるスポーツは、他のスポーツよりちょっとだけテクニカルな面が理解できるぶん一歩踏み込んで楽しむことができます。

ランニング習慣を持つ人が増えたことで、従来にも増してマラソン&駅伝中継への注目度が高まっていると感じます。これはつまりラソン&駅伝(中継)の広告的価値が高まっていることに他なりません。(データがあるわけではないのであくまでも推測です)

この不況下にあって安定した収入が見込めるマラソン&駅伝中継はTV局にとって数少ないドル箱。選手が所属する企業やクラブにとっても、その「広告効果」たるやけっして少なくないはず。

視聴者はひと握りのスター選手を除けば、地元出身者とか地元実業団・クラブチームの選手とか、やはり自分が住んでいる土地にゆかりのある選手を応援します。その選手が世界レベルのトップアスリートであれば、なおさら所属企業あるいはクラブチームにもたらされる“効果”は大きくなるでしょう。

たとえばここ名古屋エリアでその役割を担える女子エリートランナーといえば、実績・実力からいって大南博美・敬美姉妹をおいてほかに見あたりません。昨日も少し触れましたが、2人が所属する企業の陸上部が来年3月で活動を満了します。

現在は高橋監督ともども春からの新たな展開を模索中とのことで、それがどのようなカタチになるにせよやはり企業のバックアップはかかせません。逆にいえば、企業側にとっては世界を狙えるトップアスリートをイメージ戦略に使えるまたとないチャンスといえるのではないでしょうか。